インバウンド:外国人宿泊数46%増、東京・京都・大阪の定番から「地方を味わう」に変化
地方を味わうスタイル
訪日外国人の滞在先が多様化してきました。東日本大震災で落ち込んだ外国人の宿泊数は、平成27(2015)年に震災前の2.4倍となりましたが、さらに「地方を味わう」スタイルに移行しているようです。政府が掲げる目標は、平成32(2020)年の外国人観光客数4000万人。実現のカギは、「地方」のようです。
台湾32%、韓国55%の増
平成27(2015)年の外国人宿泊数は、前年より46%増えて6561万人泊。このうち「ゴールデンルート」と呼ばれる定番コース――東京都、大阪府、京都府の1都2府は、37%増の3110万人。それ以外が56%増の3451万人泊で、全体に占める割合は53%と半数以上に上りました。
国別では、中国が1629万人泊で前年から倍増。台湾が1049万人泊で32%増、韓国は674万人泊で55%増の順です。
注目は九州。佐賀はロケで誘致
地方の誘客で目を引くのが、九州です。504万人泊と前年より64%増えました。最大の顧客は韓国人観光客で、全体の38%を占めますが、タイやシンガポールなど東南アジアからの観光客も急増しています。
「佐賀県フィルムコミッション」が、タイの番組制作会社などにロケを働きかけ、平成26(2014)年公開の映画や平成27(2015)年放映のドラマの舞台になったことが成果を挙げました。ロケ地となった祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)には、はタイ語のおみくじが登場しました。
昇龍道プロジェクト・高野山熊野古道など多彩
他の自治体とも誘客に懸命です。静岡、長野、滋賀など中部・北陸の9県は、9県の名所など地域内を結ぶ観光ルートを設定し、「昇龍道(しょうりゅうどう)プロジェクト」を立ち上げました。
世界遺産の高野山や熊野古道が欧米人観光客に人気の和歌山県は、県の担当職員が年30回ペースで世界各地の旅行博などに出張し、海外のメディアや旅行会社を招くツアーも年50回も行っています。
[2016.09.22]
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