円借款の供与案件、4,500億円と過去最大規模!インド高速貨物鉄道受注し今秋着工、アジアは1万km高速鉄道構想
「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」双日が第1期工事を受注
インドと日本政府が進める「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」は、双日が率いる企業連合が構想の中心となる高速貨物鉄道プオジェクトの第1期工事を受注。8月19日には、インド政府系公社などと契約発効を祝う式典が開かれ、いよいよ今秋から工事が開始されます。
産業大動脈構想は、首都ニューデリーと商都市ムンバイの両都市間、1,500kmの産業インフラを整える計画。プロジェクトは数段階に分け建設する予定で今回は、約626kmの土木工事が対象となります。
政府開発援助:低利、融資期間長期で開発資金を貸付け
総工費は、4,500億円を超え円借款を供与するプロジェクトでは過去最大規模となり、第1期だけの工費も約1,100億円。円借款は、開発途上国に対しODA(Official Development Assistance:政府開発援助)の1つで、低利で融資期間が長期の開発資金を貸し付けます。
政府は、中国や韓国企業との受注競争力の向上に円借款の運用方針を転換する方針を示し、日本企業の海外事業受注支援に途上国向けの金利を引き下げるなど緩和する方針です。
インド国家プロジェクト、日印経済協力の象徴的案件
デリー・ムンバイ高速貨物鉄道は、インドの国家プロジェクトであり日本・インド経済協力の象徴的案件と位置づけられます。インドの最大消費地である首都と国内最大のコンテナ港が結ばれ、北部と西部の貨物輸送を担いインドの経済発展を支援します。
建設路線の周辺には、250社を超える日系企業の拠点もあり、現地に進出する日本企業への寄与も期待されます。双日では、ほか区間の軌道敷設工事や電化工事などの受注を目指すほか、同様にインド・日本政府が計画する高速鉄道事業での協業も視野に入れるとしています。
アジア高速鉄道構想:規模は国内新幹線網の4倍
経済成長と人口増によりインドやマレーシア、タイなど都市間大量輸送ニーズが高まりを見せています。構想段階を含めた計画路線の総延長は、約1万kmと日本国内の新幹線網2,400kmの約4倍の規模。日本の新幹線のほか欧州や中国、韓国企業など競争も激化しています。
タイでは、政府が約2兆5,000億円を投じ高速4路線を建設する計画で、平成31年開通を目指し来年早々入札が実施。インドも計画する7路線のうちムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ路線を先行させる方針です。日本は商社や鉄道、電気、ゼネコンなどの日本連合でアジア高速鉄道受注を目指します。
●関連記事:「インド高速鉄道構想、日本の新幹線技術の採用へ!ハードに運転技術・安全管理のソフトで差別化、付加価値高め受注へ」[2013.3.16配信]
●関連記事:「日本×インド:EPA協定締結/GDP8,9%のインド:対印輸出たった1%にこれからのビジネスチャンス」[2011.2.21配信]
[2013.8.26]
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