景気ウォッチャー調査(内閣府):9月現状判断指数44.8ポイント。3か月ぶりに悪化。
景気ウォッチャー調査/9月
現状指数は下がるも季節調整値は改善が続く内閣府が、平成28(2016)年9月の「景気ウォッチャー調査」を公表しました。
景気の現状判断を示す指数は44.8ポイントで、前月より0.8ポイント下がり、3か月ぶりの悪化です。ただし、参考として公表される季節調整値は46.3ポイントと、3か月連続で改善しており、生活者の景況感は緩やかながらも改善しているとしています。
「肌で感じる」景況感
景気ウォッチャー調査は、内閣府が平成12(2000)年1月から毎月、実施している景気動向の調査です。タクシー運転手、小売店の店主、娯楽施設の従業員、設計事務所など指標になる業種の方々に調査をして「肌で感じる」景況感を調べます。
3か月前と比較した景気状況や2~3か月後の景気の先行きなどについて5段階評価での回答を集計して、生活実感としての景況感を探ります。
飲食関連の悪化が顕著
今回の調査で悪化したのは、小売関連(前月差▲1.6ポイント)、飲食関連(同▲3.5ポイント)、サービス関連(同▲0.8ポイント)、住宅関連(同▲2.4ポイント)など。回答者のコメントを見てみましょう。
天候不順が原因の一つ
「天候不順から客足が鈍くなっており、全体的な売上も減少している」(南関東・コンビニ)。「8~9月は天候不順やリオオリンピックの影響で来客数の前年比が大きく悪化したが、9月に入っても底打ちの様子がみえてこない。」(近畿・一般レストラン)など、小売、飲食業で、天候不順による客の出控えを指摘するコメントが多くありました。
インバウンド頼みが浮き彫りに
他業種では、「宿泊者数は15%以上落ち込んでいる。インバウンドも夏前の勢いはなく、個人や小グループの来客数も減少し続けている」(東海・観光型ホテル)。「売上の2割を占めるインバウンド売上は、今月に入っても減少傾向に歯止めがかからず、前年比で約19%の減少となっている」(近畿・百貨店)。「低金利の状況で土地から購入する客の動きが多少良くなってきている」(中国・住宅販売会社)など。
ただし、落ち込み幅は小さく、全体では、"長い冬の終わり"を感じる人も多いようです。内閣府も「持ち直し」を期待しています。
●関連記事:「景気ウォッチャー調査:街角景気2か月連続低下、基調判断「弱さがみられる」に修正」[2016.3.30配信]
[2016.10.22]
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