住宅ローン取引減速/主要8行申込件数4.3万件、10年固定型最優遇金利引き上げ
申込件数4.3万件で導入前の水準に
日銀(日本銀行:東京都中央区 黒田東彦総裁)のマイナス金利政策導入で活性化した「住宅ローン取引」が、減速に転じています。主要8行への申込件数は、平成28(2016)年12月に約4.3万件で、導入前の水準に低下しました。米国大統領選後の金利上昇を受けて、大手行は平成29(2017)年1月から、10年固定型の最優遇金利を引き上げてしまい、減速はさらに進みそうです。
メガバンク3行、ほか3行で計6行
日経新聞が、住宅ローン取引を扱う主要な金融機関の実績を集計し、発表しました。対象は、三菱東京UFJ銀行((株)三菱東京UFJ銀行:東京都千代田区 小山田隆頭取)などメガバンク3行、三井住友信託銀行(三井住友信託銀行(株):東京都千代田区 常陰均社長)、りそな銀行((株)りそな銀行:大阪府大阪市 東和浩社長)、インターネット専業の住信SBIネット銀行(住信SBIネット銀行(株):東京都港区 円山法昭社長)3行です。
申し込みピークは昨年3月で8万件
申し込み件数のピークは、マイナス金利政策が導入され、住宅ローン金利が低下した直後の平成28(2016)年3月で、8万件。前年の月平均4万件から倍増しました。三菱東京UFJ銀行は16年8月、金利を1.1%からさらに0.5%にまで下げ、変化を印象づけました。その後、日銀が長期金利の上昇方針を示したため、各行とも住宅ローン金利を引き上げ、申し込み件数は減少に転じました。特に借り換えの伸びが鈍り、契約に占める比率は16年12月で2割とピーク時の半分に落ちました。
米国につられ日本の長期金利もプラス圏へ
こうした中、米国でトランプ米大統領が当選した11月以降、米景気回復や利上げ観測をもとにした米金利上昇につられる形で、日本の長期金利もプラス圏に浮上。これを受けて、三菱東京UFJ銀行や三井住友信託銀行など主要行が1月、住宅ローン金利を4カ月ぶりに引き上げました。消費者も目ざとい。減速は避けられません。景気への悪い影響が出ないか心配です。
●関連記事:「大手銀行5行、久々の住宅ローン金利2ヶ月連続引き上げ。大幅な上昇につながるか?」[2015.7.10配信]
[2017.1.30]
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