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中小企業のリスケ申請数431万件!資金供給促し、事業再生支援を金融機関へ訴える金融庁は全国行脚

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リスケ受ける金融機関、85%が地域の金融機関
金融庁は6月7日、中小企業金融円滑化法に基づくリスケジュール(条件変更)の状況について速報値を公表。同法施行日の平成21年12月4日から今年3月31日までの間に行った中小企業からのリスケジュール申請数は、431万2,203件に上りました。このうち主要行10行への申請は57万4,170件。残りの約85%を占める373万8,033件は地銀や信金、信組などの地域の金融機関となりました。
一方、住宅ローンのリスケジュール申請数は、31万8,480件と昨年の9月末から半年で約3万3,000件増加しました。いづれも審査中の案件などを除いた実行の割合は9割以上と高い水準となっています。
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リスケ後の倒産は4ケ月連続最多を更新
東京商工リサーチが6月3日に発表した5月のリスケジュール利用後の倒産件数では、44件と単月としては最多。今年2月以降、単月では最多を更新し続けています。産業別では、製造業が16件と前年同月の4件から大幅に増加。建設業の8件、卸売業の7件と続きます。
今年1月から5月までの累計倒産件数は、185件と前年同期から6割以上増え、製造業が58件と約3割を占めました。原因別では販売不振が最多の102件。リスケジュールで猶予期間を受け業績回復を目指すものの、力尽きて倒産に追い込まれる企業が増えています。

金融庁、金融機関への監督指針を前倒しで改正
金融庁は、アベノミクス効果で景気回復し、設備投資など資金ニーズが高まる事を見据え、毎年8月頃に公表する監督指針を前倒しで改正。資金ニーズの掘り起こしをどのように行っているか13項目を盛り込み金融機関に対し、具体的な取組みを促しています。同庁では、5月から6月にかけて金融円滑化法終了後も資金供給や事業再生を支援するよう全都道府県を回り、金融機関へ協力を要請するとしています。
甘利経済再生相は6月7日、設備投資を促すための税制改正について、必要なものは来年度を待たず今年度中に実施する考えを示しましたが、法人税には触れませんでした。

企業の設備投資は依然慎重
財務省が6月3日に発表した今年1月〜3月の金融・保険業を除く全産業の設備投資は、前年同期比3,9%減の11兆3,928億円と2四半期連続で減少。全産業の売上高も同5.8%減と落ち込むものの、経常利益は6.0%増。設備投資は縮小する一方、円高是正や経営の合理化などでしっかり利益確保する姿勢が見られます。
中小企業や住宅ローンのリスケジュールは増加傾向にあるなか、アベノミクス第3の矢となる成長戦略は次々に打ち出されています。今後は、政策のスローガンからいかに中小企業などへ具体的に落とし込むかが日本経済復活の鍵となりそうです。


[2013.6.12]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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