消費動向に勢いつかず。通信、保険、電気の固定費年間41万円。消費支出の1割超に
通信、保険、電気で10年間に10万円増
消費動向が勢いづきません。重荷になっているのが、携帯・ネット料金、生保の保険料、電気代などの「固定費」ではないか――という分析を、最近はよく耳にします。その3つを合わせた金額は年間約41万円で、10年前に比べ10万円増えました。固定費を減らす手段もこの10年で増えているのですが、消費支出の1割を超える状況はやはり重荷と言えます。
料金の負担感が急拡大
総務省の家計調査を見ると、「2人以上の働く世帯」が平成28(2016)年の1年間に使った携帯電話料金は、計16万5千円。10年前に比べ5万6千円も増えています。家庭のネット回線の通信料と合わせると、通信費は計19万7千円となり、10年で6万8千円増え、税負担の増加額(5万4千円)を上回りました。高市早苗総務相が国会で、「スマートフォン(スマホ)の通信料金の負担は重要課題」と述べたのも頷けるほど、料金の負担感が急拡大しているのです。
予想外の増え方をしている保険料
では、保険料はどうでしょう。掛け捨て型の保険の費用は年10万2千円。初めて10万円を超えました。10年で2万7千円増です。個人保険の保有契約件数も、平成28(2016)年3月末時点で1億6千万件と、この10年で5千万件増えました。医療保険やがん保険、介護保険が普及した結果とみられます。将来への不安感が保険の加入を導くわけですが、予想外の増え方です。
実収入630万円で消費支出は370円では...
電気代も平成28(2016)年は11万5千円で、同じく7千円増でした。東日本大震災後、各地の原子力発電所が稼働を停止していることや、再生エネルギーの買い取りコストが膨らんだことの影響です。
「2人以上の働く世帯」の実収入は632万4千円で、10年前の額を1万5千円上回りましたが、消費支出は371万5千円と、12万8千円減。財布のひもは、当分締めたままという意識なのでしょう。
●関連記事:「LINE」利用者1億人の大台突破!スマホ普及で急拡大の無料通信サービス」[2013.1.24配信]
[2017.3.21]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 消費動向に勢いつかず。通信、保険、電気の固定費年間41万円。消費支出の1割超に
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2833
コメントする