地方企業の40%が従業員数不足! 政府の掲げる「地方創生」は実態を見極めているのか。
実態とかみ合わない「地方創生」
地方企業の人手不足が依然、深刻です。日本経済新聞社が先頃行った「地域経済500調査」で、調査対象の企業のうち40%が、「従業員数が不足」と回答しました。2016年春の新卒採用も、10月時点で36%が計画未達成です。地方創生を掲げる政府は、地域で新たな雇用の場を創出する「地域しごと創生会議」を設立するなどしていますが、実態とかみ合いません。
調査結果を地域別にみると、「人手不足」の企業は、北海道が60%と最高、北陸が56%で続きます。理由(複数回答)には、「同業他社との採用競争」(44%)や「大手企業の採用増」(31%)、「他地域との採用競争」(28%)があがりました。「地域での労働人口減」も、全体の38%が指摘し、甲信越の69%をトップに、四国、北海道、東北で5割を超えました。全国的に不足が目立つ医療・福祉や運輸業に加え、復興事業で需要が高まる建設業も深刻です。働き手が、首都圏や大都市圏に集中してしまっているのです。
1/3強の企業が予定数を採れていない
大学生の「就職活動」を巡って、昨年、今年と、大幅な日程変更が続き、これも地域企業の採用には打撃だったことでしょう。2016年春の新卒採用は「増やす」が39%、「15年春並み」も46%で、仕事はあるにもかかわらず、10月時点ではありますが、3分の1強の企業が予定数を得られませんでした。「大企業の採用増のあおりで内定辞退が増えた」との声も聴きます。
政府の「創生会議」には、石破茂地方創生相、古賀信行野村証券会長、三村明夫日本商工会議所会頭らが参加しました。創生相は「地域の魅力をブランド化し、地域に人を呼び込む」と意気込みますが、具体策をどこまで練っているのか、どんな体制で臨むのか、必死さを見せてほしいですね。
[2015.12.22]
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