鉱工業生産指数が3年ぶりにプラス!中部地域に拠点集約化が効果大!「ものづくり日本」復活へ
自動車、土木建設用機械の生産が好調
経済産業省が1月31日発表した昨年10月〜12月の「鉱工業生産指数」は、104.3(平成22年=100)と前期から2.0%上昇しました。自動車や土木建設用の機械の生産が好調で、昨年の年間では4.5%上昇と3年ぶりにプラスとなりました。
鉱工業の製品には、鉄鋼や一般機械、電気・輸送用・精密機器、繊維工業品、紙・パルプ製品、食料品、タバコ、医薬品など数多くの品目が含まれており、これらの生産量を、基準年の平成22年=100として指数化、鉱工業生産活動の全体的な推移を把握することができます。
鉱工業生産指数は、有力な経済統計として株式市場や為替市場でも重視されています。
米国向けショベル機、アジア向け半導体製造装置が牽引
昨年10月〜12月の生産を業種別でみると、米国向けのショベル機や掘削機、アジア向けの半導体製造装置などが牽引役となり、自動車工場向けの数値制御ロボットの生産も増加しています。
輸送機械では、普通自動車や自動車部品の生産が好調で、電気機械などに使用されるモーターなども寄与しました。
経済産業省によると、鉱工業製品の生産の向上は、「工場向けの投資から始まり、ものづくりを担う人へ主役を交代しながら生産活動が続いた」と分析しています。
生産水準、リーマン・ショック以降、最高値
昨年の12月単月の鉱工業生産指数では、前月から2.7%上昇し、経済産業省の事前予測を大きく上回りました。事前予測では、1.6%上昇としていましたが、自動車や関連部品、国内販売が新車効果で増加し続けたことが寄与しました。
昨年暦年の生産水準は、102.1と前年から4.5%上昇し、リーマン・ショックのあった平成20年以降で最高値となりました。
先行きでは、今年1月は、昨年12月の反動から前月比4.3%減少との見通しですが、2月には、5.7%上昇と1月減産分を取り戻す見通しとなっています。自動車関連が堅調に維持し、さらに電子部品やスマートフォン向け部品も生産拡大の見通しです。
三重県の生産拠点が貢献
全国の鉱工業生産指数は、地域別で見れば伸びている地域や減少地域など様々で、全体的にみると西高東低の様相となっています。
群馬、茨城県はプラスとなっていますが、他、関東近郊はマイナスに転じています。
一方、愛知や三重、石川、福井県など中部地方西部と近畿2府が集まった地域では大きなプラスとなって、全体を牽引しています。特に三重県は、国内屈指の半導体拠点であり愛知県も近く自動車部品の生産も拡大しています。
この数年で、自動車関連など生産拠点の集約化が進みましたが、地域外では海外企業との競争からコスト重視で外へ出て行ったと考えられます。ただ、集約し生産が拡大しても5年前に比べると減少しているのが現状です。
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[2018.2.2]
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