教科書検定、22社中10社が謝礼!/三省堂、東京書籍、教育出版、光村図書出版など総額3500万円超! 「採択目的はなかった」と苦しい弁明
教科書業界のモラルの欠如に唖然
検定教科書を巡る教員らへの「謝礼問題」。文部科学省が調査結果を発表しました。教科書業界の規範意識の欠如には、あきれるばかりです。そして、教員たちの社会性の欠如も悲しい。不正とは何か、なぜ、不正行為を犯したか。生徒たちに自分たちの言葉で謝罪してほしいものです。
文科省によると、謝礼を支払っていた出版社は、小中学校の教科書を発行する計22社のうち10社。2009年度以降、検定中の教科書を約4000人の教員らに見せ、現金などを渡していました。1人あたり3000円~3万円。謝礼の総額は3500万円を超えています。検定作業に不当な圧力がかかるのを防ぐため、文科省が、検定中の教科書を外部に見せることを禁じている、にもかかわらずです。「採択目的はなかった」という言い訳は通りません。
教科書大手の版元の違反が目立つ......
出版社では、最初に不正が発覚した「三省堂」のほか、「東京書籍」「教育出版」「光村図書出版」など、教科書のシェアで上位を占める大手の違反が目立ちます。三省堂のケースでは、謝礼を受け取った校長ら6人が関わった6地区で、教科書が他社から三省堂に切り替わっていました。数研出版に至っては、教育長や教育委員計10人に歳暮や中元を贈っていました。大手のシェアが不正な営業で維持されてきたのなら、これはもはや"事件"です。
調査は今後、都道府県の教育委員会に引き継がれ、謝礼提供が教科書選定に与えた影響を洗い出します。悪弊としか言えない商慣習、営業努力の意味をはき違えた不正行為はどの業界にも存在します。重要なのは、反省し、謝罪し、二度と繰り返さないこと。今回、謝罪する相手は生徒です。
[2016.2.9]
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