太田国交相、リニア新幹線の工事実施を認可!350兆円稼ぐ巨大経済圏の誕生で「地方創生」は大丈夫?
東京・名古屋間、現在の1時間半が40分に短縮
太田国土交通相は10月17日,JR東海が東京(品川)・名古屋間のリニア中央新幹線開業を目指す工事実施計画を認可しました。開業後は東京・名古屋間を40分で結び,現在の約1時間半から大幅に短縮されます。
開業予定は,平成39年でその13年後には大阪まで延伸される計画。日本の成長や経済振興に繋がると期待され,JR東海では沿線の関係者への説明会など建設工事の手続きを本格化させます。
総工費5,5兆円、大阪延伸で9兆円に
JR東海は、東京・名古屋間の総工費を約5兆5,000億円と見込んでおり,大阪まで延伸すれば最終的には9兆円に上ります。リニアの研究は、昭和37年に始まり国鉄民営化後はJR東海が引き継いだものの、バブル崩壊や公共事業費削減の逆風で実現の目処はたちませんでした。
JR東海は平成19年,財政難の国の姿勢にしびれを切らせ巨額の費用を自費で用意することを表明しました。同社は、大きなリスクを背負ったまま老朽化で大規模改修が必要になってくる新幹線頼みの経営から脱却するため計画を進めます。
安全や環境面で懸念の声も
リニア中央新幹線は、完成すれば新たな日本の大動脈となり社会の姿が大きく変わりますが、事業の先行きには不透明さがぬぐえず安全や環境面などの懸念の声も根強く残ります。
中間駅が予定される地域では、建設事業や開業後の観光など経済効果へ期待は膨らみます。一方,山岳地での大規模なトンネル工事は、景観や環境に与える深刻な影響を懸念する声も多くあります。
東海道新幹線のバックアップ路線
リニア中央新幹線は、東海道新幹線と違う路線を通り、東海地震など大災害に備えてのバックアップの意味合いもあります。さらに首都圏とトヨタなど基幹産業が集まる名古屋圏の機能を補完し合えることが期待できます。
太田国土交通相は、「世界最大の超巨大都市圏を形成して人の流れが劇的に変わる」と期待のコメント。大阪まで延伸されれば日本の人口約6割に当たる7,300万人となり、GDP(国内総生産)約7割、350兆円を稼ぐ巨大経済圏が誕生します。安倍政権が成長戦略とする「地方創生」と相乗効果はでるのか注視されます。
●関連記事:「リニアは技術改革で時速500km、新幹線は技術改善で時速400km!?世界が注目する日本の鉄道技術」[2014.9.9配信]
[2014.10.22]
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