実質輸出は3ケ月ぶりに低下、輸入は3ケ月連続増加!羽田空港、神戸港、貨物取扱過去最大!
輸出は低下、輸入は増加
日銀は1月24日、財務省が発表した昨年12月の「貿易統計」を受け、実質輸出入を発表。実質輸出は前月からマイナス2.4%と3ケ月ぶりに低下。
実質輸入は前月から2.7%プラスとなり3ケ月連続で増加しました。
日銀の実質輸出入は、財務省の「貿易統計」により調査されている財の輸出入金額を、日銀が作成する輸出入の物価指数で割ることで実質化し、平成27年暦年平均を100として指数化しています。
「実質貿易収支」は、実質輸出入を作成する際に算出され、実質輸出、輸入の差額を四半期ごとの実質GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)で割り込むことで算出されています。
羽田空港貿易統計、輸出入とも過去最大!
東京税関が1月24日発表した羽田空港の平成29年通年の貿易概況にて、輸出額が前年から37.7%増加し4,588億円に達し、輸入額も同22.9%増え、8,529億円と輸出入とも過去最大となりました。
輸出品目では、シンガポール向けの再輸出品や、米国向けの映像記録・再生機器や、韓国向けの金属製品が増加を牽引。
輸入品目では、米国からのIC(Integrated Circuit:集積回路) や原動機、アイルランドからの化学光学機器が増加に寄与しました。
東京税関では、羽田空港における総取扱量や積込量、取卸量は、ともに前年から3割を超え7年連続で過去最大を更新しています。
神戸港コンテナ取扱個数、過去最高!
一方、神戸市が1月24日発表した平成29年に神戸港で取り扱ったコンテナ個数は、前年から4.1%増加し291万7,000TEU(Twenty-foot Equivalent Unit:20フィートコンテナ換算)と、過去最高を更新しました。これまで過去最高だった阪神・淡路大震災前の平成6年の291万6,000TEUを上回りました。
神戸港を経由し、輸出入貨物を運搬すると補助金が供給される国の集荷施策の効果が現れました。
神戸市がまとめた「湾岸統計」では、国内分の取り扱い個数も前年から6%増え、70万TEUと瀬戸内海沿岸や九州からの輸出入貨物の集約に成功し、輸出入も同3.6%増加しました。
神戸市は、平成29年から海外港間の貨物も神戸港で積み換えると補助金を出す施策を展開しており、今年は300万TEUを目指すとしています。
航空貨物DHL、中部空港に医薬品専用倉庫設置で取扱拡大へ
一方、ドイツの大手国際航空貨物を扱う「DHLグローバルフォワーディングジャパン」は1月24日、愛知県の中部空港に温度調整機能付きの医薬品専用倉庫を公開。
中部圏には製薬業者が集積しており、医薬品の輸出入の拡大が見込めると昨年12月から運用。
欧米の医薬品流通に関する厳しい基準にも適合済みで、一定温度で輸送するワクチンなどが保管、輸出入可能です。DHLが昨年中部空港で取り扱った医薬品や医療機器は千数トンでしたが、倉庫の本格稼働により、今年は3,400トンを目指すとしています。
日本各地の空港や港湾などは、アジアや世界のハブとして今後も整備、運用し取扱量の増加で地方活性化や地域の雇用創出など活況をもたらすことが期待されます。
●関連記事:「6月の貿易赤字が前年比で1/12までの大幅縮小! だが、まだ続く円安を念頭に、輸出入計画は慎重に」[2015.8.13配信]
[2018.1.26]
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