大林組、川崎重工:神戸市に(平成30年)世界初の水素発電スタート、地域電源供給
発電時に二酸化炭素(CO2)を出さず、環境に優しいエネルギーとして注目される「水素発電」で、新たな動きがあります。
大林組((株)大林組:東京都港区港南2丁目 白石達社長)と 川崎重工業(川崎重工業(株):東京都港区海岸1丁目 村山滋社長)が平成30(2018)年、水素発電の電気を神戸市の一部地域に供給する事業に乗り出します。
地域電源としての水素発電の導入は、世界初です。
まずはポートアイランド地区へ
水素発電を活用した街づくりを成長事業と位置付けていた大林組と、平成32(2020)年度をめどに神戸港に水素の輸入基地を新設する計画を進めていた川崎重工業が、タッグを組みました。
関西電力・神戸市も協力
事業には、関西電力(関西電力(株):大阪府大阪市北区中之島3丁目6-16 森詳介取締役会長)と神戸市も協力し、神戸ポートピアホテルや神戸国際会議場などがある「ポートアイランド地区」約25ヘクタール、約1万人が働くオフィス街へ電気を供給します。
天然ガスとまぜてもCO2は2割減!
地区内に、出力1千キロワット級のタービン発電所を設置。タービン発電には、水素だけを燃やす方法と、天然ガスなど安価な燃料と混ぜて使う方法の2つがあり、当面は後者ですが、それでもCO2排出量は2割削減が可能で、将来的には水素だけでの発電を目指します。投資額は約20億円。専用タービンは開発済み。この事業が成功すれば、国内に限らず海外展開も見えてきます。
災害時も電力供給が可能に
震災対策から見ても、水素発電のメリットは大きいでしょう。電気の系統網が寸断されても、地域で水素を貯蔵していれば電気の供給ができるからです。
温暖化ガス排出量4割減の一翼
阪神淡路大震災を経験し、「災害に強い街づくり」を進める神戸ならではの計画ともいえますね。
オフィスや家庭での温暖化ガス排出量を平成42(2030)年に同25(2013)年比4割減※とする政府の計画実現にも、一役買う格好で今後災害に強い街づくりを進める地域に普及が見込まれます。
[2016.5.11]
地球温暖化対策計画:
日本の地球温暖化対策の基本方針原案。
平成27(2015)年採択された世界の温暖化対策を定めたCOP21「パリ協定」を受けてまとめられた。
部門ごとに削減目標を立て、平成25(2013)年比で、業務・オフィス40%減、家庭39%減、運輸28%減、産業7%減などとしている。
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