転職市場の回復①:転職者数7年ぶりの300万人台/技術者採用伸び、市場構造に変化
7年ぶり300万人の大台に
平成20(2008)年のリーマンショック後、日本の労働環境は悪化の一途をたどりましたが、ようやく回復の兆しが見えてきました。その1つが、大きく落ち込んでいた分野の1つ「転職市場」の回復です。
転職者数は平成28(2016)年、7年ぶりに300万人の大台に乗り、中年層の管理職らにも門戸が広がっています。
転職者数前年比8万人増
総務省の平成28(2016)年の労働力調査(詳細集計)では、転職者数が前年より8万人増え、306万人でした。320万人だった平成21(2009)年以来となる高水準で、リーマンショック直前の346万人に迫る勢いです。背景には、人手不足やグローバル化で、専門技術を持つ人材が年齢を問わす採用されるようになった市場構造の変化があります。「転職35歳の壁」は、もう過去の話です。
電気・機械の技術者は35%増で大きな伸び
需要が大きい筆頭は、やはり高い専門性を持つ人です。求人サービス大手のインテリジェンス((株)インテリジェンス:東京都千代田区 峯尾太郎社長)は、今年1月の中途採用求人数が前年同月に比べ23.4%伸び、約16万件。26カ月連続で過去最高を更新中ですが、その内訳を見ると、電気・機械の技術者が35%増、企画・管理が27.9%増と特に大きく伸びています。
年齢よりも即戦力
日本電産(日本電産(株):京都府京都市 永守重信社長)は、技術力強化のため、転職者を積極的に活用中です。この2年間で、課長級以上約1000人をさらに中途採用する方針。アシックス((株)アシックス:兵庫県神戸市 尾山基社長)も、海外事業の急拡大にあわせて、平成25(2013)年から管理職の中途採用を本格化させています。判断材料としての「年齢」の優先順位が下がり、弱点を即戦力で補強するための採用が、どの企業でも一般的になりつつあるのです。
●関連記事:「労働力調査、景気回復で正社員が増加!課題は非正規社員の4割」[2015.4.30配信]
[2017.3.4]
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