中国:9省の地方政府が初デフォルト!経済停滞、不動産下落でシャドーバンキング債務300兆円は爆発前夜!
償還期限過ぎても約134億円返済できず
中国の審計署(日本の会計検査院)トップは6月24日、全国人民代表大会(日本の国会)の常務委員会で9省の地方政府の財政が悪化していることを公表。9省合わせて579億3,100万元分は、低利債権など債務借り換えで返済し先送りしたものの、8億2,100万元分(約134億円)は償還期限が過ぎても返済できませんでした。
地方政府の財源は、理財商品などで調達した資金で土地開発を行い、その売却益で返済してきました。過剰な開発は、在庫を溢れさせ地価は下落、暴落の一歩手前まできているのが実態。不動産が売却できなければ財源不足となり、理財商品はより大規模なデフォルト(債務不履行)を起こします。
債務300兆円のうち150兆円は3年以内に償還期限
中国の地方政府は、正規の金融機関で直接借入れることができないため、ペーパー会社などを通じシャドーバンキング(影の銀行)から高金利の資金を調達。その額は、中国国内では300兆円を超えるとされ今後も償還期を迎え返済ができなければデフォルトは続発。中国財政省によると300兆円のうち約半分が今後3年以内に償還期限を迎えるとしています。
過剰な不動産や建設インフラの投資が経済減速、不動産価格下落を経て中国経済の債務超過爆弾がいよいよ火を噴き始めます。
中央政府:金融機関の破産条例制定へ準備
審計署では、デフォルトに至った省の名前などは言及していないものの、中国当局が地方政府の債務デフォルトを確認したのは初となります。中国人民銀行(中央銀行)は、金融機関の破産条例を制定への検討を始め、シャドーバンキングによる金融商品のデフォルト連鎖に備えた仕組みをつくるとしています。借り手と貸し手の連鎖破綻危機が迫ります。
中国政府は5月、10地域に債権の直接発行を解禁し広東省では6月23日に第1弾を発行。財政の透明性を高める狙いですが市場を通じ財政の規律を促すには相当な時間がかかりそうです。
シャドーバンキング融資に公的資金注入できない中央政府
中国地方政府の金融危機に中央政府は、公的資金で破綻の連鎖を断ち切りたいところですが、シャドーバンキングは日本でのノンバンク融資である以上、私的な金融機関を救済する形となるため、公的資金の注入は行えません。IMF(国際通貨基金)の算出によるとシャドーバンキングの規模は約462兆円。GDPの約55%に当たり、工商銀行や建設銀行など大手国有銀行へは救済の手は差し伸べるものの、地方の中小金融機関への救済は金額的に不可能です。地方政府やシャドーバンキングの破綻の影響は間違いなくグローバル化した世界中に及び、リーマンショック以来の恐慌になることは間違いありません。リスクヘッジする用意はこれからでも間に合います。ご決断を!
●関連記事:「中国バブル崩壊:住宅過剰供給、価格下落不気味に進行中/GDP2割が不動産投資の怪」[2014.6.25配信]
[2014.7.4]
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