住友商事、三井物産、商社5社:減損3000億円規模!/資源、エネルギー商社の苦境
大手商社が軒並み減損計上
2010年に中国に追い越されたものの、日本はGDP世界第3位の経済大国。その土台である資源・エネルギー消費を支えてきた「大手商社」が、苦境にあえいでいます。資源価格の低迷が大きな負担になっているためです。商社の担う役割は大きく、打開策が求められますが、現状は厳しい。
「住友商事」「三井物産」など商社の大手5社は、2015年3月期、計約7000億円の減損を計上しました。16年3月期の連結決算では、計約3000億円の減損損失を計上する見通です。減損は帳簿上だけの会計処理で、資金の流出がないため、配当は従来の予定通り実施しますが、資源価格が好転する要素はなく、各社の利益水準が一段と下がるとの観測もあります。
貿易量は倍でも資源価格低迷で大打撃
住友商は、海外のニッケル鉱山での減損770億円に加え、チリの銅開発や原油開発の停滞で、計1000億円の減損計上となりそうです。三井物産も、チリの銅開発で約200億円の減損損失を計上する見通しで、原油やガス開発でも損失が出そう。丸紅も、北海やメキシコ湾での原油開発などで、約700億円の減損見通し。三菱商事と伊藤忠商事も、それぞれ200億円の減損を出すとみられます。
新興国の資源需要が拡大し、鉄鉱石や石炭、液化天然ガスなどの貿易量は、この10年間で約2倍に拡大しました。年換算でみると、伸び率は7~8%。しかし一方で、生産が容易な土地や浅海のおける資源は枯渇しつつあり、開発・生産の現場は、より奥地、深海へ移っています。設備投資にお金がかかる分、資源価格が低迷すると、商社には大打撃になるのです。
[2016.3.3]
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