タカタ製エアバック欠陥のリコール、国内外で3,000万台超え!日本製の信頼維持に部品メーカー1社では対応不可
ホンダへ制裁金、過去最高84億円
米運輸省道路交通安全局は1月8日、タカタ製エアバックの欠陥事故でホンダに一度に科す制裁金としては過去最大の7,000万ドル(約84億円)の支払を命じました。タカタは、米国公聴会でのかたくなな態度や、リコール(回収・無償修理)の対象を地域限定とするなど消極的な態度。道路交通安全局や世論の反発を招きました。
タカタのエアバックは、世界シェア2位を誇り紛れもないMadein Japanの信頼があったものの、地域限定リコールの対応に「タカタの対応には失望した」と道路交通安全局が下しました。
リコール対応で部品不足も懸念
タカタ製エアバックをめぐる欠陥問題は、米国でも社会問題化しリコールの対象車は日ごとに増えており世界で3,000万台に及ぶとみられます。米国でのリコールの動きは収まる気配もなく、仮に全てに対応することとなれば深刻な部品不足も懸念されます。
今回のリコールは、なぜここまで泥沼化したのか。どのようなかたちで収束され,教訓が持たされるのか今後の動きが注目されます。
トヨタ6年前に米で750万台リコール、真摯な対応で騒ぎは収束
同じリコールでも、トヨタは平成21年から22年にかけて意図せぬ急加速問題に関し750万台以上ものリコールを余儀なくされました。トヨタは豊田社長が米公聴会で釈明し,真摯に謝罪したことで騒ぎは収まりました。
しかし、トヨタにはなんら欠陥のないことが約1年後に判明したものの、集団訴訟では11億ドルの賠償金を支払う羽目になりました。賠償金が発生したもののトヨタのリコール問題は風化しつつあります。
米国で2件の死亡事故
エアバックは、車の衝突をセンサーが感知してインフレーター(ガス発生装置)に着火し、ガスが発生してバッグが膨らむ構造。問題となるタカタ製エアバッグは、インフレーターで異常燃焼し部品の金属片などが飛び散る危険性が指摘。米国ではこれまで2件の死亡事故が報告されています。
ホンダは今回のリコールに応じる方針を示しましたが,肝心のタカタからの声が聞かれません。トヨタは独立した第三者機関を活用し欠陥の分析を提案しており、対策は部品メーカータカタ1社ではなくなっています。
[2015.1.29]
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