大企業製造業、景況判断が2期連続悪化!「日銀短観」原材料、人件費上昇が要因
平均株価も連動して反落
日銀は7月2日、6月の短観(企業短期経済観測調査)を発表。
大企業・製造業の景況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、プラス21と前回の3月調査のプラス24から悪化し、市場予想のプラス22も小幅ながら下回ったことから、東京株式市場でも日経平均株価は反落して始まりました。
管官房長官は、6月のに日銀短観について、引き続き高い水準を維持していることに変わらないとしています。
安倍政権でも、「緩やかな回復」との景気判断を示しており、景況感悪化は、原材料価格の上昇、人手不足による人件費の上昇の影響との見方を示しています。
2期連続の悪化は5年半ぶり
景況判断DIは、景気が「良い」と答えた企業から「悪い」を差し引いた数値で、大企業・製造業が2期連続で悪化したのは、平成24年12月以来5年半ぶりとなります。
世界経済は、回復傾向にあり、企業の景況感はこう水準を維持していますが、米国トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」と保護主義的な政策や、中国、欧州との貿易戦争と日本の経済にも不安材料となっています。
日銀の6月の金融政策決定会合においても、米国の貿易政策が世界経済に与える影響を注視しています。次は何を言い出すのか予測不能です。
米国の代名詞「ハーレー社」高関税で米国外に拠点移行
世界的に有名な老舗高級バイクメーカー、米国ハーレーダビッドソンは6月25日、EU(European Union:欧州連合)による高い関税を避けるため、EU向けの生産を米国外に移すことを表明。
EUの高関税は、米トランプ大統領の鉄鋼・アルミ高関税への仕返しであり、ハーレーは「EU・ファースト」を選択しました。
「アメリカ・ファースト」で米国内雇用の維持を掲げた保護主義政策でしたが、結果は生産を海外に奪われる結果となりました。
EUへの米国製バイクの関税は、これまで6%でしたが、一気に31%に上がったことで1台あたり約2,200ドル(約24万円)コスト増になるといいます。
トランプ大統領、ハーレー社に脅し「他国で作るな!」
ハーレーは、EUで平成29年に約4万台の新車を販売し、米国に次ぐ重要市場と捉えています。
同社では、米国外での生産は本意ではないものの、EU市場でビジネスを続けるには唯一の選択肢と理解を求めました。
この発表に、やはりトランプ大統領は「ハーレーが最初に白旗を揚げるとは驚きだ!」と不満をぶちまけ、6月26日には、収まらずに「決して他国で作ってはならない!」とハーレーを脅すまでに至っています。
これは、日本の自動車産業にも関わる問題でもあり、7月2日には、米国への自動車輸入関税も25%追加を検討していることが判明。
度が過ぎれば、米国製航空機やリーバイスなどジーンズ、バーボンウィスキーなど、米国内から逃げ出し、雇用も悪化するような状況に、トランプ大統領のさらなる爆弾発言が注視されます。
●関連記事:「日銀短観、大企業製造業で8期ぶりに悪化!中国・米国の貿易戦争が影響か?」[2018.4.4更新]
[2018.7.4]
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