上場企業、2年ぶりに増収・利益を上方修正!下請けの中小、小規模事業者への恩恵はいつ?
上場企業、平成27年以来2年ぶりの利益
SMBC日興証券が、11月9日までに発表した東京証券取引所1部上場の1,024社を集計したところ、売上高や経常・最終利益は前年同期から上回り9月決算としては平成27年以来2年ぶりに増益の見通しとなりました。
海外での景気改善や円安が要因となり経常利益は前年同期から 21.5%伸び、18兆4,630億円と・未だ決算発表を終えない企業を見越しても増収増益で過去最高を更新するペースです。
特に製造業の経常利益は、34.85%増と大幅に上昇し、業種別では機械が63.4&%増、電気機器は56.5%増と莫大に増加しました。平成30年3月期の決算では上方修正する企業が11月9日までに303社が上方修正、下方修正の90社を大きく上周りました。
IMF、日本にとっては追い風の円安
IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)によると、今年から来年にかけ世界全体の経済成長率を引き上げ、海外への展開を進める日本にとっては追い風になっています。6月には英国がEU( European Union:欧州連合)離脱で為替は1ドル111円と円安隣企業予想より円安で推移しましたが、トヨタ自動車などは円安を踏まえ最終の予想利益を上方修正し予想から増益を見込むことになりました。
ここまでは、日本の大企業に当てはまることであり、その下請けとなる日本の中小企業や小規模企業にいかにその恩恵が与えるかが課題となります。日本企業の97%以上が中小、小規模事業者であるのです。
M&Aで統合、前年上回る収益に
M&A(企業の合併・買収)も日本企業の増収に貢献しいており、今年4月にはJXホールディングスと旧東燃ゼネラル石油が経営統合。jXTGホールディングスとしてM&A効果に加え、石油製品の改善でゼネラルの前期売上を上回る収益を得ました。
一方、3月に新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を発売した任天堂は、販売見通しを1,000万台から1,400万台へ上方修正。海外で人気のソフトを投入し、今期の売上高は前年から96%増の9,600億円に上ります。
安倍政権の「賃金アップ」は通じない?
こうしてみると、大企業は業績を上げ利益を情報しているのに従業員の給与が上がらない。アンベノミクスの「賃金アップ」の要請は大企業には通じないのかとも思えます。
大企業の内部保留額は年々積み上がり平成28年度は406兆2,348億円と過去最高。日本の税収に近い額です。安倍政権も溜め込んだ内部保留を賃金に回し消費心理を改善することでさらに企業の収益が上がと要請するものの、給与、賃金が上がるかは企業の行動次第となっているのが実態です。
賃金が上がらぬ以上、個人の能力を最大に生かし、社内での評価を高めるしかないのが現代の社会であるとも言えます。
●関連記事:「厚労省:実質賃金0.7%増、給与総額0.5%増/実質賃金アップの実感がカギ」[2017.2.27配信]
[2017.11.17]
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