日本再生戦略:医療・介護50兆円市場、雇用284万人創出と意気込む!目標57件中2件達成が実態!
医療や、観光、環境など11分野で630万人の雇用創出
7月11日、平成32年までの成長戦略を盛り込んだ「日本再生戦略」の原案を公表しました。日本の経済成長に医療や観光、環境など11の戦略分野で38の重点施策を掲げ、約630万人の雇用を創出するとしています。
再生戦略は、平成22年6月に閣議決定した「新成長戦略」を元に、震災や欧州財政危機問題などを加味し、新たな課題などを踏まえ施策されています。今年5月のフォローアップで新成長戦略は、2年経過し達成できた施策は約1割弱に留まるなど、実行に向けた具体策が不可欠です。
貿易赤字続く医薬品、医療機器分野
高齢化社会を迎え医療・介護分野では50兆円、284万人の新たな市場と雇用を創出し、経済成長と財政健全化を着実に実施。革新的な医薬品の開発や、介護など生活をサポートするロボットの開発を促すとしています。
しかし、医療・介護分野の評価は、対象項目57件中、「実施済みかつ成果あり」とされるA評価はわずか2件と目標はほとんど果たせていないのが実態です。特に医薬品、医療機器分野では国際的な競争力が劣り、貿易赤字を計上しているだけに規制緩和や業界再編などの業界育成と当面の保護が必要です。
震災時に外国人の医療の問合せ940件の潜在ニーズ
「新成長戦略」に掲げられた医療ツーリズムは、国際医療交流として外国人患者を積極的に受入れるため、モニターツアーや医療滞在ビザの発給。さらに経済産業省では、多言語に対応したMEJ(Medical Excellence JAPAN)を立ち上げ対応。昨年の震災の影響で一時的に外国人受入れ医療機関が減少したものの、MEJには4~10月までに940件の問合せがありました。
日本の医療に対する潜在的なニーズは相応にあり、受け入れ態勢の整備が急がれますが、世界的にも医療ツーリズムの強化が図られ、医療分野でも国際競争の強化が不可欠になってきています。
JCI認証取得医療機関、世界に454機関、日本はたった2機関
国際的な病院品質を認証する機関、JCI(Joint Commission International)を取得した医療機関は、昨年12月末時点で世界50ケ国、454機関あり、2年間で156機関増加しています。特にアジアでは59機関と取得件数が急増しているのに対し、日本のJCI認証取得機関はわずか2件しかありません。
アジア各国の政府は、医療ツーリズム促進に支援策や国外への積極的な展開も進むだけに、日本は医療通訳者や勤務医不足などの課題も残るだけに具体的解決策の提言しなければなりません。さらに、官民一体となった海外への医療プロモーションや各国のマーケティングが不可欠となります。
[2012.7.16]
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