物流危機②:ヤマト運輸、27年ぶりに基本運賃値上げの方針固める。サービス維持のため。アマゾン合意なるか
ヤマト、27年ぶりの値上げへ
宅配便のニーズが急膨張し、配達員の疲労や人手不足が深刻化するなか、業界最大手のヤマト運輸(ヤマト運輸(株):東京都中央区 長尾裕社長)は、宅配便の基本運賃を引き上げる方針を固めました。全面値上げは、消費増税時を除くと、なんと27年ぶり。アマゾンジャパン(アマゾンジャパン(合):東京都目黒区 ジャスパー・チャン社長)など大口顧客と交渉が始まりました。
このままでは事業継続が難しい?
ヤマトの主張は、「サービス維持のためには値上げが不可避」というもの。同社は、宅配便で約5割のシェアを握る最大手で、そのヤマトが打ち出した方向性は、業界全体に影響すると見られます。アマゾンとの交渉に入ったのは、インターネット通販の最大手との合意こそ天王山という判断でしょう。長尾社長は日経新聞に、「ネット通販の急成長と労働需給の逼迫で、事業の継続性に危機感を覚えるようになった」と語り、強い姿勢を示しています。
値上げ幅は8%程度か
値上げは、荷物の発送地と届け先、サイズによって基本運賃を定める意向です。現在の料金は、関東から関西に箱の3辺の長さが60センチメートル以内の荷物を送る場合で864円。値上げ幅にはまだ言及していませんが、前回、基本運賃を改定した1990年の時は、人件費の高騰などを理由に100~110円(平均8%)引き上げました。今回も同程度との見方も有力です。
「値上げはしない」とネット再大手のアマゾン
値上げと同時に、従業員の働き方改革も進めます。配達の時間帯指定サービスから「正午~午後2時」を廃止し、従業員が昼食休憩を取りやすくします。将来は、午後9時の営業終了時間の繰り上げについても検討予定。とはいえ、アマゾン側は、「送料無料は大事なサービスで値上げする予定はない」と語っており、ヤマトとの交渉は難航が予想されています。
●関連記事:「ロボネコヤマト:ヤマト運輸・DeNA/自動運転機能車両で無人化に挑戦」[2016.08.16配信]
[2017.4.1]
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