財務省発表:平成27(2015)年末の対外純資産5年ぶりの減少、前年末比で6.6%減の339兆2630億円
日本の経済力の"成長度合い"を示す指標「対外純資産」が、5年ぶりに減少に転じました。
財務省によると、平成27(2015)年末時点の対外純資産残高は、前年末に比べて6.6%減の339兆2630億円。海外から日本への投資が増え、円高による外貨建て資産の評価額の目減りなどが影響しました。
財務省によると、平成27(2015)年末時点の対外純資産残高は、前年末に比べて6.6%減の339兆2630億円。海外から日本への投資が増え、円高による外貨建て資産の評価額の目減りなどが影響しました。
経常収支の黒字が増えれば拡大
対外純資産とは、ある国の企業や政府、個人が海外に持つ資産残高(債権)から、海外に対する負債残高(債務)を差し引いた資産の総額です。
経常収支の黒字が増えれば対外資産は拡大し、対外資産が多いほどその国の「債権国ぶり」を示します。反対に、国外からの投資が多ければ対外負債は膨らみ、資産の総額がマイナスになった場合は、「対外債務」と呼ばれます。
資産残高も負債残高も増加
麻生太郎財務相の閣議報告によると、平成27(2015)年末の数値は、対外資産残高、対外負債残高ともに増え、比較可能な統計が始まった平成8(1996)年以降で過去最高でした。
負債残高は609兆4660億円/5.3%増
平成27(2015)年末の負債残高は609兆4660億円。前年末と比べて5.3%増え、6年連続の増加です。増加額の約6割を占めた日本株関連で、世界的に金融が安定せず、投資先に苦慮した投資家筋が日本株に目をつけたのです。
平成27(2015)年末の負債残高は609兆4660億円。前年末と比べて5.3%増え、6年連続の増加です。増加額の約6割を占めた日本株関連で、世界的に金融が安定せず、投資先に苦慮した投資家筋が日本株に目をつけたのです。
資産残高は948兆7290億円/0.7%増
一方、資産残高は0.7%増の948兆7290億円。7年連続で増えました。
対ユーロなどでの円高による外貨建て資産の円換算額の目減りや、外国証券の価格下落などがあったものの、日本企業による海外投資が旺盛で目減り分を下支えしています。
対ユーロなどでの円高による外貨建て資産の円換算額の目減りや、外国証券の価格下落などがあったものの、日本企業による海外投資が旺盛で目減り分を下支えしています。
日本は成熟債権国
資産残高が負債残高を上回る状況が常態化していれば、日本は成熟債権国に分類されます。貿易赤字が拡大すれば対外資産も縮小し、債権取り崩し国に転落するかもしれません。
[2016.06.08]
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