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1~6月の倒産数が24年ぶりに5000件割れ。負債総額も3年連続で減少したが、景気浮上の恩恵はまだ全体には届いていない?

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 景気の底上げは安定的
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 東京商工リサーチが発表した今年上半期(1月~6月)の倒産件数は4568件と、1991年(4723件)以来、24年ぶりの5千件割れとなり、上半期としては6年連続で減少、前年同期と比べても1割減でした。景気の底上げは安定的ということができるでしょう。
これまでも、さまざまな指標を紹介してきましたが、企業倒産の件数は、景気をはかる基本的な統計指標です。「農・林・漁・鉱業」「建設業」「製造業」「卸売業」「小売業」「金融・保険業」「不動産業」「運輸業」「情報通信業」「サービス業他」の10業種で、動向を見ています。
 
 卸売業は3年ぶりに件数が増加
さて、今回のデータを、業種別で見てみましょう。
10業種のうち、倒産件数が増えたのは卸売業だけ。3年ぶりに増加となりました。円安の影響などで、輸入コストがふくらんだためでしょう。全体としては好調で、東京商工リサーチは、①金融機関が中小企業のリスケ要請(取引先に対して行う返済猶予などの支援)に柔軟に応じていること、②大手輸出企業を中心とした業績の拡大、③中小企業向け貸出金の増加が経営を下支えしたこと――を、要因として挙げています。
また、負債総額は、前年同期比6%減の9902億7600万円でした。こちらも3年連続で減少し、90年以来、25年ぶりに1兆円を割り込んでいます。負債10億円以上の大型倒産も、146件(前年同期148件)で、上半期としては過去20年間で最少でした。ただし、負債1億円未満の企業倒産は3315件(全体の72.5%)と依然、高い割合を占め、小企業には景気浮上の恩恵が届いていないように思われます。
 
 経営悪化には共通する問題がある
今後の見通しについて、東京商工リサーチは、「零細企業では引き続き業績が厳しく、倒産件数は現状を底に緩やかに増加に転じる可能性がある」としています。

経営悪化のプロセスを分析していくと、どの企業にも共通する問題が見つかります。独断専行せず、専門家に相談しながら、困難を乗り越えていってください。

[2015.7.25]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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