厚労省調査:男女の賃金格差、過去最小/フルタイム女性の平均24万4600円。女性管理職9.3%で過去最高
フルタイム勤務女性の賃金、男性の73%で過去最高
政府が女性の社会進出を奨励するなか、平成28(2016)年の男女の賃金格差が過去最小を更新したことが、厚生労働省の調査で分かりました。フルタイムで働く女性の平均賃金は月額24万4600円で、3年連続で過去最高を記録。男性の賃金の73%となり、格差はこの20年で10ポイント縮まりました。
一方の男性はこの10年で2000円減少
調査は、10人以上の常用労働者がいる、全国約5万事業所を対象に、平成28(2016)年6月現在の所定内給与(残業代や休日手当は含まない)をチェック。それによると、平成28(2016)年の女性の賃金は、この10年で2万円以上増え、前年比でも1.1%増。一方、男性は、同じ10年で2千円程度減少し、前年比も横ばい。その結果、男性の60%程度だった女性の給与が相対的に上がりました。
管理職女性は9.3%でこれも過去最高に
業種別に見てみると、運輸業・郵便業で前年比5.7%増加、卸売・小売業でも1.8%伸びました。大企業では伸びが0.1%にとどまったのに対し、従業員100人未満の企業で1.2%増えたのも目を引きます。人手不足が深刻化する中小企業で、女性社員の採用が活性化しているのでしょう。勤続年数は9.3年で前年より0.1年短縮したものの、課長や部長など管理職に就く女性の割合は9.3%と、これも過去最高でした。政府の方針もなんとか実現の方向です。
欧州各国に比べ日本の男女格差はまだまだ大きく...
とはいえ、欧州各国などと比べると、男女の給与格差はなお大きく、「同一賃金」の実現は遠いと言えます。経済協力開発機構(OECD)の2014(平成26)年の調査では、日本の男女格差は、加盟国の中で韓国、エストニアに次いで3番目の大きさ。ベルギーやハンガリーでは男女格差は数%に抑えられており、日本は国際的にはまだ見劣りする段階です。女性の賃金増は消費の拡大につながるともいわれます。この流れがさらに進むことを期待します。
●関連記事:「有効求人倍率,22年ぶりに高水準!働き方は非正規労働者が4割弱に賃金格差が明暗」[2015.1.5配信]
[2017.3.13]
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