中小・零細企業の「休廃業・解散」件数2万4千件超え!「倒産」企業の2.9倍に!
「休廃業・解散」件数は「倒産」件数の2倍超え、8年連続
帝国データバンクが1月31日発表した、「平成29年休廃業・解散」件数は、2万4,400件と、「倒産」件数の2倍超えは8年連続となり、平成29年は倒産件数の2.9倍に上りました。
企業の倒産件数は昨年、国内景気が雇用や所得改善もあり回復基調にあったものの、個人消費の節約志向がまだ残り、8,376件と平成21年以来8年ぶりに前年を上回りました。
深刻な人手不足など飲食店などの小売業やサービス業が増加の要因となり、景気回復期に特徴的な「好況型倒産」や「リスケジュール(条件変更)後倒産」の増加が目立ちました。
経済指標には出てこない「休廃業・解散」件数
中小・零細企業や小規模事業者は、後継者難や経営者の高齢化が深刻となっており、倒産に至らないものの、事業の継続を諦め「休廃業・解散」を選択する企業が倒産件数の約3倍で推移しています。
「休廃業・解散」は、前年から2.2%、557件減少し、2年ぶりに前年比減となりましたが、「休廃業・解散」は「倒産」に対し、2.9倍と深刻な状況ですが「休廃業・解散」件数は経済指標には出てきません。
「休廃業・解散」した企業の経営者の年齢では、70歳代が全体の44,8%と、前年までの60歳代と入れ替わり、超高齢化社会が浮き彫りとなりました。高齢者の経営者の占める割合は年々増加しています。
「休廃業・解散」3分の1が建設業
「休廃業・解散」した企業を業種別でみると、建設業が全体の32.3%に当たる7,877件と全体の3分の1を占めました。以下、サービス業が同21.1%の5,160件、小売業が同15.6%の3,813件と続いています。
業種細分類別では、米穀類小売が64件と最多で、靴小売が44件、畳製造小売が20件と続いており、特にお米の消費は、総務省の「家計調査」によると、平成20年と28年を比べると1世帯当たり20kgほど減少しています。また、米穀安定供給確保支援機構によると入手ルートはスーパーが増加し、米穀専門店での購入は減少し、さらに現在ではネット通販が主流となりつつあります。
上位20業種のうち、11業種が小売業となっており、個人を対象とした店舗販売の「休廃業・解散」が目立つ結果となりました。
経営者の高齢化は増加傾向
企業の「休廃業・解散」は、2年ぶりに前年を下回ったものの、依然倒産件数の約3倍を推移しており、この先の見通しも立たない状況です。
帝国ダータバンクの「全国社長分析」においても、企業経営者の平均年齢は59.5歳ですが、上昇傾向は続いており、経営者高齢化の進展が「休廃業・解散」に繋がっています。
同社の調査では、多くの企業で「事業承継」を第一の課題にする一方、企業の3社に2社が後継者不在の状況が続いているのが実情です。
経営者の高齢化により「休廃業・解散」を選択する企業の増加が懸念され、特に付加価値のある技術、サービスを持つ企業においては、国や自治体、金融機関とともに解決策をいち早く見つけ出す必要があります。
●関連記事:「中小企業庁:倒産件数減少の影で、休廃業・解散が急増。2016年2万9583件過去最多」[2017.5.8配信]
[2018.2.3]
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