楽天市場、成長率が10.2%に落込み/ヤフーポイント客を集める戦略、アマゾン有料会員の獲得猛追
順調ななか、主力のネット通販は...
ネット通販で国内トップの「楽天」。2015年12月期決算は、国内の流通総額(電子商取引)が2兆6748億円と過去最高を記録しました。経営の多角化も順調で、順風満帆に見えます。しかし、主力のネット通販は伸び率が鈍っており、今後は、「ヤフー」や「アマゾン(日本)」との競争が激化しそうです。
楽天全体の売上高は、前年比19.2%増の7135億円。一昨年に買収した米国の通販関連「イーベイツ」や電子書籍「オーバードライブ」が好調で、クレジットカードや銀行などの金融部門も利益を上げました。「楽天銀行」「楽天カード」「楽天保険」「楽天生命」や、スマートフォンを利用したクレジットカード決済サービス「楽天スマートベイ」など見事な多角化です。
実店舗でも使える共通ポイントでテコ入れ
一方、過去、前年比20%前後の伸びを誇った主力のネット通販は、国内流通総額の成長率が10.2%で、落ち込みぎみです。日本最大のインターネット・ショッピングモール「楽天市場」は、各地に散らばる店舗がネット上にオンラインの「仮想商店街」を形成する新しいビジネスモデルであり、本丸のこの楽天市場があってこそ、それにつなげる多角化も成功しました。楽天がテコ入れをはかるのが「共通ポイント」です。ためたり使ったりできる場所を実店舗にも広げ、使えば使うほど得する仕組みを強化して、利用者の集中を狙います。
ライバルのヤフーやアマゾンも激しく追随しています。国内の流通総額で楽天の半分のヤフーは、伸び率が前年比16.7%増。三番手のアマゾン(日本)も、同じく19.6%でした。ポイントを武器に客を集める戦略は、ヤフーも展開中。アマゾンは、有料会員の獲得など独自の戦略を進めています。
[2016.2.27]
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