核家族が進み空き家増加の悪循環!20年後、築40年以上の分譲マンション352万戸に
日本の全戸数の13.5%が空き家
総務省が今年1月に発表した「空き家対策に関する実態調査」によると、日本の人口減少や住宅の老朽化などの構造変化により、空き家が年々増加していることが改めて露呈されました。
同省が平成25年に実施した「住宅・土地統計調査」によると、同年10月1日現在、全国の総戸数6,063万戸のうち空き家は全体の13.5%に当たる820万戸に上っています。
この数は過去10年で1.5倍、過去20年で2.1倍に増加しており、所有者による管理が行われない空き家は結果、地域の安全性の低下や衛生上の悪化、景観の阻害など多岐にわたり問題を生じさせています。
首都圏でも空き家は200万戸
特に地方から大都市圏へ流入する空き家問題は問題となっており、東京や埼玉、千葉、神奈川の1都3件県の空き家率は、9%〜11%と全国平均に比べ低いものの、戸数は約200万戸と全体の4分の1を占めています。
昭和の高度経済成長期には、東洋一のマンモス団地と呼ばれた東京・板橋区の高島平団地は、第2次ベビーブーム時の昭和47年に建設され、最盛期には約3万人が生活していましたが現在では2万人を割り込み空室も目立っています。
同様に東京都・多摩ニュータウンや大坂。堺の泉北ニュータウンでも空室が目立ってきています。
倒壊、景観損なえば法案で撤去
平成27年には管理が不十分で周辺に悪影響を与える空き家対策として「空き家対策特別措置法」が施行され、分譲マンションなども倒壊の恐れがあったり、周囲の景観を著しく損なう空き家に対して市町村が「特定空き家」に指定し、所有者に対し「指導」や「勧告」、「命令」など段階を踏み改善を求め、応じなければ代執行で撤去できるようになりました。
国土交通省によると、築40年以上超えの分譲マンションは平成29年末現在約73万戸でしたが、20年後には約5倍の352万戸になると推測しています。
解体や建て替えなどは、所有者の5分の4以上の承認が必要となっていますが、この数字からハードルを下げる方向になるを得ない状況です。
空き家対策、民間からもアイディア・提案公募
国土交通省では5月20日より全国の空き家対策を加速化させるための支援制度である「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」の提案募集を開始しました。
民間のアイディアや提案を広く募るもので人材の育成と相談体制の整備や、共通課題の解決部門の2部門を公募し、地方公共団体と民間の専門家などが連携し事業を実施し、その成果を広く公開する計画です。
近年は、築年数の経った建物に大規模な工事で新築時より付加価値を高めるリノベーションも多く見られ、若い世帯にも人気が高まるなど、空き家対策に様々な手法が提案されることに期待されます。
●関連記事:「住宅着工戸数、3年振りの減少!空き家解消が課題」[2018.5.4配信]
[2019.5.31]
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