国交省:東京圏の鉄道整備指針、成田・羽田空港と都心を結ぶ路線/国際都市の魅力向上
まずは空港へのアクセスに力点を
国土交通相の諮問機関「交通政策審議会」※が今年4月、2030年に向けた東京圏の鉄道整備の指針をまとめました。15年ごとに示される鉄道網の指針で、路線の新設や延伸など1都3県の計24事業が「意義のあるプロジェクト」とされました。
鉄道は、国際都市としての魅力アップ、混雑の緩和、共生の街づくりなどの根幹ですが、財源確保には課題を残しています。
鉄道は、国際都市としての魅力アップ、混雑の緩和、共生の街づくりなどの根幹ですが、財源確保には課題を残しています。
成田・羽田空港が1時間以内/都心を結ぶ地下路線!
指針では、国際競争力の強化に向けた事業の1つとして、まず、成田・羽田両空港と都心を結ぶ路線に力点を置きました。
具体的には、都心の地下を掘り、京浜急行電鉄の泉岳寺駅と京成電鉄の押上駅をつなぎます。これにより、羽田・成田間を1時間以内で移動できるそうです。JR東日本も、都心と羽田を結ぶ新線を検討します。
空港へのアクセスは国際都市の魅力に直結します。外国人観光客の急増で利用者も伸びており、妥当なプランでしょう。
つくばエクスプレス」の延伸/茨城県の悲願
ほかに、長らく茨城県の悲願でもあった「つくばエクスプレス」の延伸、大江戸線や京葉線の延伸、混雑が目立つ京王線や小田急線の複々線化などを盛り込みました。
首都圏を活性化させるためのネットワークの拡充と、都心部の利便性の改善も大きな課題で、この計画も妥当ですね。前回の答申で実現したプランは約3割ですが、これらの優先順位は高いでしょうね。
国、地方自治体、事業者が各3分の1を負担
費用負担は従来、国、地方自治体、事業者が3分の1ずつというケースが大半です。JR東日本は「実現に向けて関係各所との協議・調整を進めていく」とコメント。
大田区は「事業実現に向けて大きな後押しになる」とし、事業者の慎重姿勢と地方自治体の期待の高まりが交錯します。
どんどんやれという時代ではない/家田仁教授
答申案をまとめた家田仁・政策研究大学院大学教授は「どのプロジェクトもどんどんやれという時代ではない。採算や需要などを精査して、慎重に見極めなければいけない」と話す。国際都市、魅力ある観光都市を目指し利便性の高い事業計画が実現すると東京の魅力が更に増します。
[2016.5.2]
交通政策審議会
国土交通省に設置された審議会で、8つの分科会(交通体系、技術、観光、陸上交通、海事、港湾、航空、気象)がある。
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