ゼネコン好調/2017年3月期15社中9社が増益、2016年上期(4~9月)14社が最高益
15社中9社が増益見込み
堅調な建設需要を背景に、ゼネコン各社の業績が好調です。15社の平成29(2017)年3月期連結決算業績は、9社が営業利益、経常利益とも増益の見込み。工事の採算改善などで利益を確保する努力が実を結んできました。東京五輪・パラリンピックなどで工事の逼迫に伴う労務費の上昇が利益圧迫の懸念材料ですが、平成29(2017)年3月期の業績にはそれほど反映しないと見られています。
採算重視の受注で"質より量"
平成28(2016)年4~9月期連結決算に限れば、分析可能な14社全社が、営業、経常でともに最高益を更新しました。興味深いのは、9社が平成28(2016)年4~9月期で「減収」で、7社が平成29(2017)年3月期の減収を見込んでいること。つまり、量より質、採算重視の受注を進め、量を追わなくなっているのです。
労務費、資材費ともに現状安定
各社の現状分析にも、鋭さを感じます。労務費の上昇は、今期末まで高騰はなく、首都圏などの再開発工事が本格化する平成30(2018)年3月期以降からというのが、担当役員らの共通の見方。資材費についても、「現状は安定」としています。
"冬の時代"分析の結果
各社とも、受注時からの工事の採算改善に加え、設計変更に伴う追加費用の確保などのシステムを、急ピッチでつくってきました。資材、労務費の高騰、市場の冷え込みなど"冬の時代"を乗り越える努力と入念な現状分析の結果、業績向上を呼び寄せました。
不動産大手にも薫風
大手不動産も、平成28(2016)年4~9月期連結決算は、三井不動産(三井不動産(株):東京都中央区 菰田正信社長)、三菱地所(三菱地所(株):東京都千代田区 杉山博孝社長)、住友不動産(住友不動産(株):東京都新宿区 仁島浩順社長)の上位3社が、各利益段階で最高を更新するなど、オフィス市況を中心に風が吹き始めています。両業界にとっては、春の訪れかもしれません。
●関連記事:「23年度決算発表:日航V字回復、ゼネコン、被災地の地銀が黒字へ転換「復興需要」が追い風!」[2012.5.21配信]
[2016.12.13]
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