2016年、医療M&A件数過去最高の116件に。総額1兆6000億円超。他業種参入など盛ん
他業種参入、新分野への投資など盛んに
医療関連で日本企業が絡んだM&A(合併・買収)の件数が、平成28(2016)年、過去最高を記録しました。他業種からの参入に加え、特許切れの薬の事業を売却してバイオや再生医療など新分野への投資に切り替える動きも盛んです。「医療」は、可能性に満ちた分野なのでしょう。
武田薬品を1547億円で買収
富士フイルムホールディングス(富士フイルムHD(株):東京都港区 助野健児社長)は、武田薬品工業(武田薬品工業(株):大阪府大阪市 クリストフ ウェバー社長)の子会社、和光純薬工業(和光純薬工業(株):大阪府大阪市 小畠伸三社長)を買収。金額は1547億円でした。狙いは、和光が持つ再生医療に必要な技術です。日立製作所子会社の日立化成(日立化成(株):東京都千代田区 丸山寿社長)、米投資ファンドのカーライル・グループ(コロンビア特別区 デイビッド・M・ルーベンシュタインCEO)などに競り勝ちました。
M&A総額は1兆6000億円超に
キヤノン(キヤノン(株):東京都大田区 御手洗冨士夫社長)は、東芝メディカルシステムズ(東芝メディカルシステムズ(株):栃木県大田原市 瀧口登志夫社長)の買収を決定。コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)など画像診断装置の取り込みを狙います。買収額は6655億円でした。
医療関連の今年のM&Aは12月時点で116件。初めて100件の大台を超え、金額ベースでもM&Aの総額は1兆6000億円超となりました。
売却益で新薬開発
事業転換も活発です。塩野義製薬(塩野義製薬(株):大阪府大阪市 手代木功社長)は12月、特許期間が終了した睡眠導入剤など21製品を、共和薬品工業(共和薬品工業(株):大阪府大阪市 角田礼昭社長)に売却しました。薬価引き下げや後発薬の普及促進で、特許切れ薬の採算は下がるばかり。事業を早めに売却し、得た資金をがん治療などの新薬開発に集中させます。
●関連記事「国内医療機器分野:平成32年に1兆円輸出/開発加速と輸入拡大を目指し、5分野を重点的支援」[2016.05.31配信] http://www.h-yagi.jp/00/32_1.html
[2017.1.7]
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