中国国家統計局発表:2016年GDP伸び率6.7%。26年ぶりの低水準に。経済減速が本格化
GDP、6年連続の伸びが鈍る
中国経済の減速が本格化しそうです。
中国国家統計局が1月に日発表した平成28(2016)年の国内総生産(GDP)伸び率は、物価の変動を除く実質ベースで前年比6.7%。平成22(2011)年から6年連続だった伸びが鈍り、平成27(2015)年から0.2ポイント縮小しました。輸出が低迷し、民間投資も振るいません。中国経済の減速は、不確実性を増す世界経済の不安要因として懸念されます。
26年ぶりの低さ、国際的な競争力に陰り
「6.7%」は、日本が見れば驚くべき伸び率ですが、中国では、1989(平成元)年の天安門事件の影響で経済が低迷した1990(平成2)年以来、26年ぶりの低さでした。輸出の低迷は、人件費や地価の上昇などで、国際的な競争力に陰りが見えてきたことを示します。輸出が減少したため、貿易黒字も縮小しました。景気の悪循環が生まれており、製造業を中心に投資の伸びも鈍りました。
鉄鋼、石炭の低迷も深刻に
GDP以外の経済統計もよくありません。2016(平成28)年通年の工業生産は、前年比6.0%増と2015(平成27)年(6.1%増)から減速しました。自動車やスマートフォンの生産は好調ですが、過剰な設備投資が問題化している鉄鋼や石炭は低迷が深刻です。個人消費を示す社会消費品小売総額は、2016年通年で前年比10.4%増。悪い数字ではありませんが、伸びは2015年(10.7%増)から縮小しました。
2017年秋、最高指導部の入れ替わりも
2017(平成29)年、中国経済の成長率はさらに鈍ります。鉄鋼や石炭などの卸売物価が急上昇しており、実質成長率への影響が必至です。大都市で起きている不動産バブルも不安要素で、金融政策も2016年よりやや引き締め気味にするとの見方が大勢。秋には5年に1度の共産党大会があり、最高指導部が入れ替わります。経済運営では安定を最優先する習近平指導部のかじ取りに注目です。
●関連記事:「中国経済、崩壊へ向かうか。公表された統計が、かの国の実体経済の深刻さを物語る」[2015.10.21配信]http://www.h-yagi.jp/00/post_231577.html
[2017.1.26]
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