7〜9月GDP速報:0.54%増。3四半期連続プラス(内閣府)
2.2%増加、3四半期連続のプラス成長
内閣府が11月14日、平成28(2016)年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値を発表しました。実質の季節調整値(物価変動の影響を除く)で、前期比0.54%増、年率換算では2.2%の増加。プラス成長は3四半期連続です。
アジア向けを中心に輸出が伸び、国内でも住宅投資が堅調でしたが、個人消費と設備投資は低調で、所得や雇用の改善が消費に結びつかない現状を示しています。
予測中央値0.8%を大きく上回る
この時期、実質GDPの増加率(年率)2.2%は、そう悪くありません。平成27(2015)年1〜3月期(年率5.0%)以来の高い伸びであり、市場の事前予測の中央値(年率0.8%)を大きく上回わりました。石原伸晃経済財政・再生相が同日の談話で「日本経済はこのところ弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」との認識を示しましたが、妥当だと思います。
外需が0.45%分を押し上げ
前期比0.54%伸びた実質GDPの内容を分析すると、外需が0.45%分を押し上げています。輸出は2.0%増。「iphone7」など新型スマートフォンの増産のため、半導体製造装置や電子部品の輸出が伸びたとみられます。
インバウンド消費も持ち直しで9.4%増
アジア経済の復調も、少しずつ後押ししているようです。輸出に分類される訪日外国人(インバウンド)消費も9.4%増で、熊本地震で訪日を見送るケースが相次いだ4〜6月期の落ち込みを取り戻しました。輸入は0.6%の減少でした。
内需による実質GDP押し上げは奮わず
一方、内需による実質GDPの押し上げは、0.09%分にとどまりました。住宅ローン金利の低下が購買意欲を刺激し、住宅投資は2.3%増えましたが、個人消費は0.06%の伸びと奮いません。実質の雇用者報酬は前年同期比3.0%増で、失業率や有効求人倍率も1990年代並みの水準に回復しているのですが、多くの家計が節約志向を強めたままでいるようです。
●関連記事:「GDP(内閣府):1~3月期の国内総生産は1%以下の成長率。景気の足踏み感、海外事情の影響大」[2016.05.27配信]
[2016.12.10]
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