アパレル業界「脱中国」:イトキン2016年撤退。サンコー鞄は国内自社工場化
アパレル業界:中国の人件費高騰であおり受ける
経済力の伸びを背景に、人件費の高騰が続く中国。かつて、「安い人件費」を求めて中国に進出した日本の企業群のなかで、ことにアパレル業界が苦戦しています。
大手のイトキン(イトキン(株):東京都渋谷区 前田和久社長)は、販売不振を理由に撤退を決めました。多店舗展開していた婦人服のハニーズ((株)ハニーズ:福島県いわき市 江尻義久社長)も、閉店が続きます。生産拠点としての優位性が揺らいだ今、戦略の見直しが急務です。
大手のイトキン(イトキン(株):東京都渋谷区 前田和久社長)は、販売不振を理由に撤退を決めました。多店舗展開していた婦人服のハニーズ((株)ハニーズ:福島県いわき市 江尻義久社長)も、閉店が続きます。生産拠点としての優位性が揺らいだ今、戦略の見直しが急務です。
3万社が進出した「世界の工場」
中国は、巨大市場としても、生産拠点としても注目されてきました。一時は「世界の工場」とたとえられました。平成17(2005)年には1万数千社だった日本からの進出企業は、平成23(2011)年に3万社を突破。
人件費の安さに加え、拡大する中国の消費市場、膨大な中間層の存在が魅力でした。しかし、そのどちらもが成熟し、競争が激化するなか、撤退もやむを得なくなったのです。
人件費の安さに加え、拡大する中国の消費市場、膨大な中間層の存在が魅力でした。しかし、そのどちらもが成熟し、競争が激化するなか、撤退もやむを得なくなったのです。
イトキンは2016年に完全撤退
イトキンは平成28(2016)年、完全撤退を終えました。ピーク時には、中国国内で300店を展開する勢いでしたが、地元企業との競争激化で採算が著しく悪化しました。同年2月、投資ファンドのインテグラル(インテグラル(株):東京都千代田区 佐山展生社長)の傘下に入りましたが、収益は改善しませんでした。ハニーズも、主力の出店先だった百貨店からの退店を進め、平成29(2017)年春までの3年間で約270店を閉店します。これにより、約600だった店舗網は430に減ります。
サンコー鞄は国内自社工場を再稼働
スーツケースメーカーのサンコー鞄(サンコー鞄(株):愛知県長久手市 桑山修社長)は、平成27(2015)年夏、国内の自社工場を再稼働させています。
それまで、全量を中国で生産していましたが、賃金が年に10%のペースで増え、生産コストが急激に上昇するなか、円安を販売価格に反映させた影響も加わって、顧客が離れてしまいました。付加価値を高めた商品へ戦力を転換します。
それまで、全量を中国で生産していましたが、賃金が年に10%のペースで増え、生産コストが急激に上昇するなか、円安を販売価格に反映させた影響も加わって、顧客が離れてしまいました。付加価値を高めた商品へ戦力を転換します。
●関連記時:「アパレル:続く冬の時代、市場規模10兆ラインを割る。若者の生態変化や古着市場拡大」[2017.1.27配信]
[2017.2.24]
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