上場企業の財務体質改善進む。実質無借金会社、2016年に2000社超え!
実質無借金、初めて2000社超える
上場企業の財務体質の改善が進んでいることが、日本経済新聞社の独自集計で分かりました。手元資金が有利子負債より多い「実質無借金」の企業は、平成28(2016)年度末時点で2016社と前年度に比べて60社増え、初めて2000社を超えました。背景にあるのは、企業業績の改善です。今年度も財務体質が改善する企業が広がりそうで、景気浮上のきっかけになるかもしれません。
2016年新たに無借金は142社
日経新聞が、金融などを除く全決算期の上場企業を対象に調べました。各年度の現預金や短期保有の有価証券などの手元資金から、借入金や社債などの有利子負債を引いた「ネットキャッシュ」を算出しました。その結果、平成28(2016)年度に新たに実質無借金に転じたのは142社でした。
上位は建設会社が目立つ
「ネットキャッシュ」を前年度と比較した「改善額」をみると、上位は建設会社が目立ちます。改善額の首位は鹿島(鹿島建設(株):東京都港区 押味至一社長)、2位が長谷工コーポレーション((株)長谷工コーポレーション:東京都港区 辻範明社長)。市況が好調だった化学会社のクラレ((株)クラレ:東京都千代田区 伊藤正明社長)やダイセル((株)ダイセル:大阪府大阪市 札場操社長)なども改善しました。
清水建設は1987年以来初
平成29(2017)年度も、清水建設(清水建設(株):東京都中央区 井上和幸社長)や東ソー(東ソー(株):東京都港区 山本寿宣社長)が実質無借金に転じる見通しです。清水建設は、昭和62(1987)年3月期の連結決算への移行後、初めてのことです。バブル期の不動産開発投資による有利子負債は1兆円超にまで膨らみましたが、今期は約3400億円にまで減りました。ただ、手元資金を必要以上にため込めば、資本効率が悪化して企業体力を弱めます。これだけで楽観はできません。
●関連記事:「鹿島建設-狛江市:地域農業「CSA」設立。地元栽培ホップで地ビール製造」[2016.12.15配信]
[2017.6.30]
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