2016年1月から施行のマイナンバー法に、企業の6割は「メリットなし」。東京商工リサーチがアンケートを実施。その原因は何か?
企業の6割はマイナンバー法の法人番号に否定的
来年1月から「マイナンバー法」が施行されます。個人に⒓桁の「マイナンバー」が割り振られるだけでなく、企業にも13桁の「法人番号」が付けられます。企業は、この新制度を、どう受け止めているのか。東京商工リサーチが今年8月、全国の企業を対象に実施した「マイナンバー法のスタートに関するアンケート」の結果を発表しました。6割が否定的という結果でした。
国税庁は、法人番号のメリットとして、「わかる」「つながる」「ひろがる」の3つをキーワードに挙げます。企業の複数の部署やグループ会社内で、名称や所在地などの基礎情報が、新旧ごちゃごちゃのまま別コードで管理されているなど、情報管理がバラバラなことがよくあります。それらを、法人番号のもとに統合すれば、各行政窓口で、情報の授受や照合にかかるコスト、時間が削減できる。新たに何かを申請する際、企業側の事務負担が減る。企業間の取引では、添付書類などを減らせる。国民もその情報を活用できる――というわけです。ただ、ちょっと、分かりにくい。具体的なイメージがわきません。
「分かりにくい」=「メリットはない」
東京商工リサーチのインターネット調査の結果も、その"分かりにくさ"を反映しているようです。「メリットはない」が、全国4942社のうち、3258社(65.9%)。内訳は、大企業が739社のうち465社(構成比62.9%)、中小企業等でも4203社のうち2793社(構成比66.5%)でした。理由として、「情報漏えいリスク」が過半数を占め、「業務の煩雑化」「業務量の増加」「コストの増加」など、業務への負担増を指摘する回答が3割に上りました。
法人番号制度導入への対応についても、「情報漏洩セキュリティ体制強化」(2463社、構成比19.7%)、「従業員などのマイナンバー把握・管理方法策定」(2260社、同18.0%)、「社内での周知」が2073社(同16.5%)など、負担感が大きそうです。制度の活用次第で当然、メリットもあるわけですが、その具体的な説明が、あまりに欠けていたということでしょう。
[2015.9.4]
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