アパホテルの2015年利益率は約3割! 「世界最強のホテルモデル」に落とし穴はないか。
利益率は約3割!
ビジネスマンにとって格安ビジネスホテルの代名詞「アパホテル」が、急拡大を続けています。インバウンド増加の波を受けて、2015年11月期の連結売上高は約900億円、経常利益が272億円に達しました。利益率はなんと約3割です。総合ホテル事業への脱皮を目指します。
アパホテルの数は、全国で137にのぼります。最新のオープンは、昨年12月の「アパホテル品川 泉岳寺駅前」。そのセレモニーで、創業者夫婦の元谷外志雄(もとや・としお)代表と、芙美子社長は、「アパが展開する高品質、高機能、環境対応型の新都市型ホテルは、世界最強のホテルモデル」と、意気軒高でした。これだけの業績があるのだから、説得力もある。
大きな権限を持つ支配人の育成が急務
アパホテルが高利益率を維持できているのは、徹底したコストカット、無駄を排する企業理念によります。標準のシングルルームは約11平方メートルで、一般のシングルよりやや狭い。これにより照明費用が節約でき、空調は室内に客がいても数時間でエアコンが止まるようにしています。館内の大浴場も人気ですが、これも、大浴場を使ってもらえば客室の浴槽を利用せずに済み、結果的に水道代が少なくなるためとされています。こうした工夫に、芙美子社長が派手な帽子と衣装でテレビCMに出まくる広報戦略が、見事にはまりました。
さて、急拡大に"落とし穴"はないのでしょうか。指摘されている問題の1つは「支配人不足」です。アパホテルは創業以来、各ホテルの支配人に、宿泊価格を決めたり、サービス内容を独自に高めたりさせたりする大きな権限を与えてきました。その人材育成がおいつかない懸念があります。完全な一族経営体制も、ひずみを生みやすい。ホテル乱立時代、修正が必要かもしれません。
[2016.1.19]
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