2015年版世界競争力報告:日本6位/スイス、シンガポール、米国、ドイツ、オランダ、日本、香港の順、韓国26位、中国28位
アベノミクスを世界がどう見ているか
ダボス会議を主催するスイスの民間研究機関「世界経済フォーラム」が、2015年版の「世界競争力報告」を発表しました。日本の総合順位は、前年と同じ6位。この報告書は、経済全体の安定性を重視した評価を行うのが特徴で、結果は、アベノミクスが世界からどう映っているかの1つの指標と言えます。新興国のインド(55位)、ベトナム(56位)が大きく上昇しました。
1〜3位はスイス、シンガポール、米国の順で、これも前年と同じでした。以下、ドイツ、オランダ、日本、香港、フィンランド、スウェーデン、英国と続きます。台湾は15位、韓国26位、急成長と経済不安が同居する中国は28位と、これらの国の順位も大きな変動はありません。通貨急落の余波で、ブラジルは57位から75位へランクを下げました。目下、資源安にあえいでいるロシアは、おそらく来年、今年の45位から落ちるでしょう。
中小企業対策を抜きに"失地回復"はない
個別の評価項目で見ていくと、日本は、「インフレ率」の評価で、前年の62位から一気に1位に躍り出ています。同フォーラムが「適正水準に改善された」と判断したためです。にもかかわらず全体の順位が上がらないのは、アベノミクスについて、一定の成果はあげたものの、構造改革など「3本の矢」が加速せず、効率化や技術革新に前進がないと評価されているのでしょう。世界経済フォーラムが主催する「ダボス会議」は、各国の政官財の指導者が集まる年次総会であり、同フォーラムの評価は、そのまま世界の評価と言えるものです。
[2015.10.31]
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