中小企業の8割は後継者がいない! 2014年の総務省の調査で深刻過ぎる後継者不足と、経営者の高齢化の実態が明らかに。
後継者不足と経営者の高齢化で危機に直面
個人企業の経営者にとって、「後継者」の確保は頭の痛い問題です。総務省がまとめた2014年の個人企業経済調査で、極めて残念な数字が出ました。「製造業」「宿泊業・飲食サービス業」「サービス業」とも、8割以上が後継者を確保できていない実態が明らかになったのです。事業主の高齢化も深刻で、日本の経済を支える中小企業の厳しい状況を示しています。
この調査は、さまざまな業種の個人企業の経営状況を把握するため、毎年、実施されています。対象となる企業は、製造業が約500、卸売り・小売業が約1300など、全国で約4千。調査票をもとに、事業主の年齢,後継者の有無,事業経営上の問題点などが調べられ、公表されます。
後継者がいない個人企業の割合は,「製造業」で82.3%、「宿泊業・飲食サービス業」で84.4%、「サービス業」で82.9%と、高率でした。最も低い「卸売業,小売業」でも77.4%です。また、後継者がいる企業を事業主の年齢階級別にみると,いずれの産業も80歳以上が最も高く,「製造業」30.4%,「卸売業,小売業」53.7%,「宿泊業,飲食サービス業」63.2%,「サービス業」31.7%でした。後継者の年齢も当然、高くなります。「製造業」では、7割強で経営者の年齢が60歳以上。多くの町工場が、後継者不足と経営者の高齢化で廃業の危機に直面している姿が目に浮かびます。
後継者問題で廃業は年間7万社!
中小企業庁が毎年発行している「中小企業白書」でも、70歳以上の経営者は75万人を超え、今や経営者の5人に1人が70歳以上という記載でした。白書は、70代経営者の約半数で「後継者が存在しない」とします。事実、後継者不足のため廃業している中小企業は、毎年7万社にのぼります。
技術力や競争力のある企業の安定した事業承継は、日本の国家的な課題です。愛する会社を残せない辛さは筆舌に尽くしがたいものですが、今後は、M&Aなど第三者への株式譲渡、会社売却をはじめ、多様な手法がいっそう活用されていくでしょう。
[2015.8.12]
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