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日本公庫「2014年中小の景況見通し」業況判断は大幅改善!資金繰り、貸出・借入に懸念に成長戦略実行が鍵

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公庫取引先608社対象:見通しは2.7ポイントから13.0に改善
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日本政策金融公庫は11月29日、平成26年の「中小企業の景況見通し」を発表。公庫の取引のある企業608社を対象に調査。「改善」と答えた企業から「悪化」と答えた企業を差引いた業況判断DI(実績・見込み)は、今年2.7ポイントと昨年から6.8上昇。来年の業況判断DI(見通し)ではさらに上昇し13.0と大幅に改善しました。DI(Diffusion Index)は、複数の指標の改善・悪化を組み合わせ算出した指数です。
分野別では、設備投資が今年マイナス14ポイントから来年はプラス18.8の見通し。昨年はマイナス41.1ポイントだった家電関連は、スマートフォンのニーズ拡大で来年はプラス14.3に転換。食生活関連や衣生活関連でも上昇する見通しとなっています。

売上高DI、経常利益額DIでも改善
来年の売上高DIでは、今年から8.4ポイント上昇し14.7。経常利益額DIでも今年から11.3ポイント上昇し9.0に改善される見通しです。来年4月には、消費税率引上げにより販売価格DIは来年3.8ポイントと今年から7.3上昇となりました。
一方、円安による原材料などのコストの上昇で仕入れ価格DIは32.0 ポイントと今年から5.4低下する見通しです。中小企業でも仕入れ価格の上昇により販売価格に転嫁する動きが予測されます。すでに生活用品や電気代などエネルギーの値上げにより、中小企業などの利益を逼迫しています。

資金繰りDI:見通しは悪化
金融の見通しでは、資金繰りDIが昨年の7.0ポイントから今年は4.4。来年は1.6と低下の見通し。メイン金融機関の貸出態度DIや借入残高DIでも同様に低下と中小企業にとって依然、資金繰りが厳しい見通しとなっています。
安倍政権は、来年4月からの消費税率引上げによる景気の腰折れの回避するため、経済対策は事業規模18兆円超え。中小企業の資金繰り支援に公的融資枠も盛り込み、中小企業の資金繰りを支援するとしています。

消費税率引上げで、駆け込みと反動減でマイナス成長?
平成26年は、消費税増税前の駆け込みニーズと引上げ後の個人消費や住宅など投資の落ち込みでマイナス成長が予測されますが、公共投資の拡大などによる押し上げ効果も期待されます。一方、米国の量的緩和の縮小時期や中国経済の急減速リスクも景況に大きく影響してきます。グローバル化は連鎖も生み出し影響を拡大させます
安倍政権は、デフレ脱却を目指すものの、円安による輸入原材料価格の上昇でインフレが始まりますが賃金上昇は伴なっていません。今後の成長戦略が打ち出され、確実に実行されるかが景況を大きく分けることになります。

[2013.12.9]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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