旧長銀ビル1年間空室!東京23区「オフィスビル2012年問題」供給12%増加!過剰供給、収益悪化
千代田区一等地:旧長銀ビル、1年間空きビル状態
東京・日比谷公園前の一等地に建つ旧日本長期信用銀行本店ビルが1年近く空きビルとなっています。平成12年には、旧長銀を継承した新生銀行が本店として入居したものの、業績悪化から平成20年春にビルを1,000億円でファンドに売却。平成22年末には本店を移転し、ビルは空室のままとなりました。
旧長銀ビルは平成5年に竣工した21階建て、延べ床面積は6万平方メートルのビルで、中階が欠けた珍しいデザイン。日比谷公園を目の前に、霞ヶ関へも歩いて5分程度とオフィスには好立地な建物ですが、地価の下落などで転売が進んでいないようです。
前年比12%増:東京23区オフィス供給154万平方メートル
平成24年、東京では大手町や日本橋など新しいビルが続々完成し、不動産業界では供給圧迫による収益悪化が懸念される「オフィスビル2012問題」が伝えられています。東京23区内のオフィスビルは推定154万平方メートルと前年比12%増で、六本木ヒルズが竣工した平成15年並の大量供給となります。
ビジネス5区、平成23年11月空室率は8.90%と2か月連続増加
オフィスビル調査会社の三鬼商事株式会社(東京都中央区八重洲2-4-1 代表者:飯嶋 清氏)によると、昨年11月の東京ビジネス地区5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は8.90%と2ケ月連続増加するなど、これからのオフィス賃料の下落が予想されます。
オフィス賃借した理由:「耐震性」35%!20%上昇/安さ38%、業容拡大36%
オフィスビルの選定は、昨年の東日本大震災により建物の耐震性や非常用電源などニーズが様変わりしました。森ビルが昨年12月27日に発表した「東京23区オフィスニーズに関する調査」によれば、賃借理由として「賃料の安さ」が38%、「業容・人員拡大」が36%と上位を占めますが「耐震性」が35%と前回調査から20ポイント上昇しました。
数年前から予測されていた「オフィスビル2012年問題」は、震災によって大き影響がありました。空室率の上昇による賃料の低下、収益悪化と全てのビルには当てはまらないものの、耐震、防災機能面で劣る老朽ビルには厳しい状況が続きます。
都心オフィス賃料、39ケ月連続下落
東京ビジネス地区5区の賃料は、3.3平方メートル当たりの平均募集賃料が1万6,973円と前月から38円下がり、39ケ月連続下落が続いています。震災以降、テナント間に広がっていた耐震、防災機能に優れたビルへの借り換えニーズも落ち着きをみせ、分散したオフィスを集約するなど後ろ向きのニーズが多く見られます。
「オフィス賃料下げるなら今がチャンス!」積極的な賃料交渉
賃料低下をしり目に、元気な中小企業は今がチャンスとばかり、賃料値下げ交渉の大成果を聞くようになりました。ビルオーナーはテナントが転居してしばらく空室になるよりも、気心の知れた今の入居者に居てもらったほうがいい、との苦渋の判断です。ひとたび退去すると保証金の返還や募集など大変な労力がが必要で、場所によっては空室が長く続く地域もあります。東京23区の空室率が8.9%と2ヶ月連続悪化している現状が更に賃料低下を生んでいます。一方これを機会に都市部に移転する積極的な企業も見られます。
日本経済環境の不安材料に「オフィスビル2011問題」がのしかかる
昨年は、東日本大震災に加え、歴史的円高やタイの大洪水、ギリシャを筆頭に欧州債務危機な、ど過去に例のない規模の不安材料が国内企業を襲っています。先行き不透明感から事業縮小に伴うオフィス移転に拍車がかかります。そこにオフィスビル供給過剰、空室率上昇、賃料低下が予想され「オフィスビル2012年問題」がこれからの社会に与える影響が懸念されます。
昨年は、東日本大震災に加え、歴史的円高やタイの大洪水、ギリシャを筆頭に欧州債務危機な、ど過去に例のない規模の不安材料が国内企業を襲っています。先行き不透明感から事業縮小に伴うオフィス移転に拍車がかかります。そこにオフィスビル供給過剰、空室率上昇、賃料低下が予想され「オフィスビル2012年問題」がこれからの社会に与える影響が懸念されます。
[2012.1.12]
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