2011年ヒット予測ランキングの傾向を検証、これからのビジネスチャンスに!
情報誌「日経トレンディ」が2011年ヒット予測ランキングを発表しました。これを機会に2008年まで遡って、ヒット商品の変遷を掲載しました。
2008年~2009年:低価格、国策によるヒット
2008年は不況を反映した低価格がキーワードで消費材が目立ちました。
1位のPB(プライベートブランド)はその象徴で、庶民に広く受け入れられました。アウトレットモールが4位にランクインするなど、消費が低迷する中、着実な成功を収めたのは低価格商品ばかりでした。2009年は「100年に1度の大不況」と言われ、自力でヒットを生みだしにくい環境でした。2009年は国のバックアップによる国策ヒットが相次ぎました。1位のプリウス&インサイトをはじめ、1000円高速やエコポイントテレビなど、補助金や減税など国によるテコ入れでヒットしました。
今年(2010年)は「プチ贅沢商品」が台頭
同誌発表の「2010年ヒット商品ランキング」(10位まで)は以下の通りです。身近なものに僅かな付加価値を持たせた「プチ贅沢商品」が多いのが特徴で、消費低迷の中「節約に疲れた感」も伺えます。
また、今年の特徴として次の3点を挙げています。
①後追い商品が市場を拡大
桃屋の食べるラー油を後追いしたエスビー食品をなど、相乗効果で結果的にヒットが出やすくなる環境があった。
②過去のヒット商品のブーム再仕掛け
「ミルミル」(ヤクルト)はターゲットを子供から大人へと180度転換しました。「トリスハイボール」は若年ユーザー層開拓に成功。「ハイパーヨーヨー」などのアナログ玩具は親の「懐かしい」という心理に訴えた。
③シェア逆転
価格低下で爆発的に普及したLED電球は電球型蛍光灯を間もなく抜く勢い、液体洗剤と粉末洗剤、電気ケトルと電気ポットにも同じ傾向が見られた。
2010からみる2011年の流行予想
2010年は「安いだけでは売れなくなり、消費者は身近な商品に新しい価値を求め、多少割高な商品でも売れた」1年だったと言えます。同誌発表の2011年ヒット予測ランキング(10位まで)は以下の通りです。携帯電話やスマートフォンと連動した商品が目立ちます。
同誌では2010年は「多様化するモバイル」を重要キーワードとして、外出先で快適に使えるよう工夫した商品が急増すると予想しています。その他、しっかりとした基本性能を持ちながら、驚きの新機能で消費者を惹きつける商品、カラフルなデザインのデジカメなど価格訴求からデザイン訴求への動き、商品の基本性能は変わっていないが消費者のマインドの変化や世相を反映し新たな訴求ポイントを作り新規客層や市場拡大を狙う動きを予測として挙げています。
ランクに入らないけど、ネオ・アグリにLCC・・・も席巻?
来年の予測ランキングに入らなかったもので話題性の高いものは、ネオ・アグリ※(農業を取り巻く新たな流れ)やLCC(格安航空券)などでしょう。長引く不況、消費低迷と言われるようになって久しいですが、2011年もこのデフレから脱する格安の流れをベースに展開していくことは間違いないでしょう。
ヒットランキング⇒ニーズ⇒ビジネスチャンス⇒デフレ脱却
各年度のヒットランキングからニーズの変化が見えてきます。「たかが流行」と軽視せず「トレンドを自社のビジネスに落とし込めないだろうか」と常に考えましょう。変化はいつも小さな変化から始まります。これを機会にヒットランキングの傾向を検証してこれからのビジネスチャンスにしましょう。ともあれ2011年は景気の踊り場脱出の年になってほしいものです。
【解説/ネオ・アグリ】農業・畜産業など生産を取り巻く環境の変化を指す。第1次産業の農業が第6次産業化に向けて流通や小売、消費者ニーズを取り込むこと。新たな変革に対応することを指す造語
▼関連サイト:オフィシャル「得意分野を生かして今こそ!転業」
[2010.11.13]
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