総務省、家計の平均貯蓄は1,739万円?アベノミクスの株高効果で有価証券は2割強増
総務省:12年前の調査開始以来過去最高額
総務省は5月16日、平成25年の家計調査報告で1世帯(2人以上の世帯)当たりの平均貯蓄残高が前年比4.9%増の1,739万円だったことを発表。アベノミクス効果で有価証券など約2割以上上昇したことが寄与。貯蓄残高ほか増加率も平成14年の調査開始以来最高となりました。
貯蓄残高の内訳をみると最も多いのは「100万円未満」で全体の12.2%。次いで「200万円未満」が8.6%と続き、平均貯蓄残高「1,800万円未満」はわずか3.5%でした。
貯蓄調査:見栄を張って多めに・・調査対象者の自己申告
家計調査の対象は,約9,000世帯で単身世帯を除く2人以上の世帯は約8,000世帯。調査は,調査員が直接質問する場合もありますが,貯蓄に関しては調査票に記入して提出されます。当然、金融機関など調べる訳でもなく見栄を張って多めに記入する可能性もないとは言えないでしょう。
総務省によると、平均貯蓄残高は1,739万円となったものの、中央値は1,023万円としています。中央値は、貯蓄の低い世帯から高い世帯を順に並べ分かれ目となる世帯の値。額の平均は1,739万円ですが、実際はほぼ半分の世帯が1,000万円前後となっています。
貯蓄の種類:低金利でも定期預金が全体の4割
貯蓄の種類別では、定期性預金が全体の41.6%を占め724万円。生命保険が同21.8%の379万円,通貨性預貯金が20.5%の356万円、有価証券が13.8%の240万円となっています。定期性預金は、前年からほぼ横ばいとなったものの有価証券はアベノミクスの株高効果で前年から24.4%増。このうち株式・投資信託は同27.6%と貯蓄残高を増やしました。
一方,2人以上の世帯の負債状況を見ると、1世帯当たり平均499万円と前年から6.4%増加。このうち勤労者世帯では740万円と前年から6.5%増え,働いているのに負債が増えている状況です。
負債の9割が「住宅・土地のため」
負債残高の種類では、「住宅・土地のため」が全体の89.8%を占め448万円と前年から6.4%増加となりました。積極的な住宅取得の消費がうかがえます。
今回の調査結果では、貯蓄額「4,000万円以上」との回答は全体の11.1%。この中に億単位の世帯が数件あれば母数が8,000だけに平均貯蓄額は大きく引き上がります。今回の平均貯蓄額「1,739万円」をみて自分の貯蓄額と比べ深く考え込む必要はなさそうです。
[2014.5.22]
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