損保ジャパン1万5千人の社員に在宅勤務導入!BCPや業務効率の向上、夏の節電にも効果
昨年夏の節電要請に在宅勤務試行済みに「一定の成果あり」
損保ジャパンは、約1万5,000人の全社員を対象にした在宅勤務を導入しました。昨年の震災以来、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)や節電対策として在宅勤務は、KDDIやNTTデータ、日本IBMなど導入する企業が多く見受けられます。在宅勤務の最大のメリットは、災害時でも業務を継続できることや、集中した環境での効率の高い業務が行えることなどがあげられます。
同社では、今夏の電力供給不足により使用が制限されれば、在宅勤務を増やしオフィスの一部フロアの閉鎖も検討するとしています。同社は昨年夏、政府の節電要請に照明や空調、OA機器など具体的な節電対策を積極的に取り入れたほか、在宅勤務も7~9月の2ケ月間試行。節電をきっかけに「仕事は会社で行うもの」という既成概念を取り去り、結果として今回の大規模な社員への導入に至りました。
損保ジャパングループ3万人に「Google Apps」アカウント
在宅勤務の普及は、ネット技術の向上や通信整備の高い普及が要因としてあげられます。日本中、光回線が網羅されたブロードバンド環境は他の国ではみられません。さらにPC環境に加えスマートフォンやタブレット端末などのデバイスに問わず「いつでも、どこでも」アクセス可能な在宅勤務には好環境といえます。顧客情報やスケジュール管理などは、グループウェアを使用することによりオフィス環境が自宅やサテライトオフィス、施設などで再現可能です。
大手検索のグーグルは、損保ジャパングループが来年5月から同社のグループウェア「Google Apps」を導入すると発表。損保ジャパングループの全社員、スタッフ約3万人に「Google Apps」のアカウントが作られ、国内では最大の「Google Apps」ユーザー企業となります。
BCP、在宅勤務見据え3万人社員との情報共有に「Google Apps」導入
損保ジャパンでは昨年の震災以降、BCPや在宅勤務の重要性の高まりを受け、柔軟で信頼性の高いコミュニケーションインフラの導入が急務と認識。さらに平成26年上半期には、日本興亜損保とのM&A(企業の買収・合併)も決まっており、スムーズな合併や海外拠点との情報共有、情報交換のためにもグループウェアを導入、将来の「損保ジャパン日本興亜」を支える情報基盤と「Google Apps」を選びました。
損保ジャパンは、5月1日から契約者やその家族へのサービスとして無料で健康や医療に関する電話相談を始めました。まさしく在宅勤務向けの業務と言えるでしょう。予約をすれば臨床心理士よるカウンセリングも受けられるなど、現代の仕事や人間関係などの心理ケアを重視したサービスは継続的な顧客との関係を一層強くするでしょう。
政府の節電要請「在宅勤務で節電」が普及のキッカケ?
在宅業務で先を行く米国では、平成20年の調査で導入率は42%に達しています。利用者の約6割は男性でプロフェッショナル社員に多く見受けられ、成果を上げるために柔軟な働き方を求めます。日本では普及が進むものの、平成22年に15.9%と、ここからの伸びが注視されます。昨年の震災翌月に政府は、夏の節電啓発の取組みとして「自宅勤務などを通じ、ライフスタイルの変革を進めることにより節電を図る」と掲げたことで広まりを見せてきました。
在宅勤務は、個人の認識や職場、取引先、家族などマインドの切り替えができれば効率よく最適な環境を確立でき、それができる人が在宅を希望するでしょう。企業への変革よりも、一年以上たっても安定した電力を供給できない政府の変革が必要に思えます。
[2012.5.10]
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