中小企業向け貸出しはプラス傾向、信用保証付貸出しは13期連続でマイナス!
中小企業向け貸出しDIはプラス維持、先行きも横ばい
日本政策金融公庫は12月25日、平成29年度下期の「信用保証に関する金融機関アンケート調査結果の概要」を発表。中小企業向け貸出しDI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、4.0と引き続きプラスで推移しいますがやや低下気味。次期見通しでは3.1とほぼ横ばいとなっています。中小企業向け貸出しDIは、平成25年度上期以降、10期連続でプラスを推移しているものの、やや低下傾向になってきています。
資金使途別に見ると、長期運転資金は1.4と低下傾向で次期見通しもほぼ横ばい、設備資金も3.1と前期から微減しています。
同調査は、全国の都市銀5行、地銀57行、第二地銀38行、信金128金庫、信組22組合と250行・金庫・組合を対象に、今年10月回答されたものです。
信用保証、承諾件数も減少
信用保証付貸出しDIは、マイナス17.3と、平成23年度下期以降、13期連続でマイナスとなっており、マイナス幅は拡大傾向です。全国信用保証協会連合会によると、信用保証の保証承諾件数を見ると、今年4月〜10月まで36万1,758件と前年同期から4.3%減少しています。
信用保証協会は、信用保証協会法に基づいて中小企業や小規模事業者へ円滑に資金を供給するため設立。銀行など金融機関から企業へ融資の際の保証人となる公的機関です。
企業が銀行など金融機関から資金を調達する際に、各都道府県にある信用保証協会は「信用保証」を通じ、企業の資金調達を支援しています。信用保証協会は、47の都道府県と、横浜、川崎、名古屋、岐阜市4市にあります。
▼全国信用保証協会連合会:全国の信用保証協会
信用保証付の融資、9割が無担保
信用保証付の融資の場合、融資の9割以上が無担保で利用することができ、1年未満の短期運転資金から、最長20年の設備資金などニーズに対応した資金調達が可能です。また、信用保証協会の資金調達だけでなく、都道府県、市区町村の制度融資も利用することができます。
信用保証付の融資の場合には条件があり、製造業が資本金3億円以下、卸売業が1億円以下、小売業・サービス業が5,000万円以下、もしくは従業員数が製造業が300人以下、卸売業・サービス業が100人以下、小売業が50人以下のいづれかに当てはまれば利用可能です。
なお、融資の際の連帯保証人については、個人事業主の場合は原則不要で、法人の場合は原則として代表者となります。
信用保証協会ごとに優遇策で支援
全国の信用保証協会では、企業の資金ニーズに応えるため各々の用途により融資を設けています。
名古屋市信用保証協会は、中京銀行と連携し、創業希望者にウェブサイトの作成・活用法や創業計画作成のノウハウを伝える会合を開き創業者を支援。大阪信用保証協会では、保証料率を引き下げ、使い勝手を良くし年間を通じて創業セミナーを開きサポートしています。
一方、栃木県信用保証協会は、県や全国健康保険協会・健康保険組合連合会・厚労省労働局の栃木支部5者と、健康経営や働き方改革支援に協定を結び、企業が金融機関から融資の際の信用保証料率を2割引き下げることを柱に資金調達コストを軽減させます。
経済産業省中小企業庁は、平成20年のリーマンショック以降、全国の信用保証協会に中小企業の個別支援や創業強化を要請。全国の信用保証協会では、様々な優遇・軽減措置のある融資が用意されるようになってきました。
●関連記事:「業界動向③:信用保証協会の承諾件数減少「リスケジュール」「日本型金融の脱皮」が影響」[2017.3.20配信]
[2017.12.28]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 中小企業向け貸出しはプラス傾向、信用保証付貸出しは13期連続でマイナス!
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/3143
コメントする