銀行カードローン利用者、年収1/3以上借入が3割!銀行からさらに融資の提案5割、うち3割弱が借入
カードローンと消費者金融から複数の借入、3割超え
全国銀行協会は1月18日、銀行カードローンに関する消費者意識の調査結果を公表。銀行カードローン利用者のうち30.2%が年収の3分の1以上借入れていることがわかりました。このことで消費者金融からとの併用によって借入額が増えている状況の利用者も入れると34.8%に上ることが明らかになりました。
銀行カードローンは、年収に関わらず1千万円でも借入が可能ですが、消費者金融では改正貸金業法の完全施工で年収の3分の1までしか借入ができないことになりました。これは、消費者金融からの借入増大や複数の消費者金融からの借入で返済が拡大、多重債務となり自己破産が急増した背景があります。
借入理由は「銀行だから安心」が4割弱の認識不足
銀行カードローンも消費者金融も同じ、無担保でお金を個人に貸す目的は同様ですが、銀行は貸金業には適用されていないため、借入額が増大し自己破産に至るケースも見られるようになっています。
銀行カードローンの利用者は、消費者金融の借入額が一杯となった利用者を含め、調査では「銀行だから安心」が39.3%、「金利が低い」が22.1%、「店舗やATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)が多い」が21.4%と、利用する理由について十分に理解していないことが伺えます。
カードローン借入額、1人平均147万円
調査によると、銀行カードローンの借入高残高は、1人平均147万9,000円で、内訳では50万円以下が最も多く全体の44.6%と占めていますが、201万〜500万以下が17.8%、501万円以上が5.9%と200万円以上を借りいれる利用者が2割を超えています。
全国銀行協会によると、全国116行の銀行カードローン残高は平成29年9月末時点で約5兆5,900億円となる一方、消費者金融やクレジット会社からの借入残高は4兆895億円と銀行カードローンの借入額が消費者金融を上回る結果となっています。
当然のように消費者金融からの借入で多重債務者を多数出し、苦い自己破産処理をした日本弁護士連合会では、国や全国銀行協会などに「過剰貸付」の意見書を提出しています。
「即日融資」は警視庁のデータベース照会で不可能に
平成29年10月には、銀行カードローンのテレビ宣伝や各種広告など「年収証明不要」「即日融資」は自粛され、3メガバンクでは限度枠を年収の3分の1から2分の1へ自主規制を決めました。特に即日融資は今後、警視庁のデータベース照会が必要になるため早くても融資は翌日以降となりますが、あくまで自主規制であり法的な強制力はありません。
それを裏付けるように全国銀行協会の調査では、銀行カードローン利用者のうち、借入額を増やすよう提案を受けた利用者は約5割に上ったことが判明。このうち28.5%が提案を受け入れ、借入額を増やすことになりました。
銀行カードローンの過剰の借入れを銀行自体が助長していたことがわかり、日銀のマイナス金利政策で、銀行が収益を得るのが困難ではあるものの、個人を犠牲にすることはあり得ず、自主規制でなく法的な措置が必要とも考えられます。
●関連記事:「銀行カードローン:ノンバンクが信用保証を拡大!過剰融資に繋がらない節度を期待」[2017.8.11配信]
[2018.1.24]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 銀行カードローン利用者、年収1/3以上借入が3割!銀行からさらに融資の提案5割、うち3割弱が借入
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/3169
コメントする