全国企業短期経済観測調査(日銀短観12月):大手製造業四半期ぶり改善/販売価格判断DIマイナス
業況判断指数は四半期ぶりに改善
日銀(日本銀行:東京都中央区 黒田東彦総裁)が、12月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表しました。最も注目される企業の景況感「業況判断指数」(DI)は、大企業製造業でプラス10でした。前回の9月調査(プラス6)から4ポイント増え、四半期ぶりの改善です。米大統領選後の世界的な株高や原油市況の回復が、追い風になったようです。
3カ月先の大企業製造業プラス8
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値です。3カ月先の業況判断DIは、大企業製造業がプラス8。米国経済の堅調さと資源需要の引き締まりによる国際商品相場の上昇、輸出の拡大などが景況感を支えています。
販売価格判断DIマイナス改善
大企業製造業の「販売価格判断DI」はマイナス7と、9月調査(マイナス10)から3ポイントの上昇でした。このDIは、販売価格が「上昇」と答えた企業の割合から「下落」と答えた企業の割合を差し引いたもの。個人消費の伸び悩みや物価の低迷により、販売価格には依然、下落圧力が強いようです。
設備投資計画5.5%増
また、平成28(2016)年度の設備投資計画も、大企業全産業では、前年度比5.5%増。内訳をみると、製造業は11.2%増、非製造業は2.5%増の計画ですが、好調と呼ぶにはいまひとつです。
追い風がいつ逆風に?
当面、米国の動きの影響がありそうです。トランプ氏は、世界経済に逆風となる保護主義的な政策を掲げました。ドル高けん制発言も繰り返しています。今は追い風でも、これがいつ向かい風に変わるのか、楽観視できない状況が続きます。
●関連記事:「全国企業短期経済観測調査(日銀短観3月):製造業を中心に景況感悪化/新興国の減速、円高、個人消費の停滞」[2016.4.22配信]
[2017.1.4]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 全国企業短期経済観測調査(日銀短観12月):大手製造業四半期ぶり改善/販売価格判断DIマイナス
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2747
コメントする