小松精練:新資材「グリーンビズ」廃棄汚泥での開発/浄化から緑化まで
6000トンの汚泥廃棄をどうするか?
工場の廃水から資材を作る画期的技術を、繊維染色大手の小松精練(小松精練(株):石川県能美市 中山賢一会長)が開発し、注目されています。同社の2つの工場では、年間約500万トンの水を使っていました。廃水は工場内で処理後、放流しますが、年6000トンの汚泥の廃棄という課題があった。そのコストを減らし、再利用にまでつなげるという見事な発想です。
微生物がいた空洞部分がカギに
開発された資材「グリーンビズ」は、無数の小さな穴があるセラミック素材。保水性が高く、地面に敷いて浸水を防いだり、屋上などで植物を育てる基盤にしたりできます。泥や粘度、けい藻土、鋳鉄スラグを混ぜて乾かし、セ氏1000度で加熱すると、微生物がいた部分が2~3マイクロメートルの空洞になります。この穴に水が通り、吸水性や保水性を高めるのです。その能力たるや、1000平方メートルのグリーンビズで12トン以上というから驚きです。
アスファルトより5~20度涼しい!
すでに、夏場の「打ち水効果」を出すマットして、松屋銀座((株)松屋:東京都中央区 秋田正紀社長)の屋上や大学、長崎空港(長崎県大村市)などに敷かれ、アスファルトよりもセ氏5~20度ほど涼しく過ごせるという効果を示しました。屋上緑化の基盤としても使われています。
そして平成28(2016)年6月、東亜電機工業(東亜電機工業(株):石川県金沢市 安井大輔社長)、トーケン((株)トーケン:石川県金沢市 根上健正社長)などと共同で、水質汚濁が深刻な湖、木場潟(石川県小松市)にグリーンビズを浮かべて浄化する実証試験が始まりました。
売上高を前期比倍の10億円と見込む
可能性は広がる一方で、アロマを吸わせた芳香剤や、トイレなどの内装としても商品を展開。販売では、大和リース(大和リース(株):大阪府大阪市 森田俊作社長)と業務提携しました。価格は1平方メートルあたり1万~2万円程度とやや高めですが、小松精練は、平成29(2017)年3月期の売上高を前期比の倍、10億円と意気込んでいます。
●関連記事:「東レ・帝人:炭素繊維複合材のリサイクル技術確立!新興勢力の参入は不可能/航空機、自動車にリサイクルマーク?」[2014.3.25配信]
[2017.1.21]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 小松精練:新資材「グリーンビズ」廃棄汚泥での開発/浄化から緑化まで
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2767
コメントする