ライオン/10年ぶりに歯ブラシ増産、価格競争の日用品分野での快進撃!
高齢社会とインバウンドがもたらす新需要
長寿高齢社会の急伸と、訪日外国人旅行者の急増が、思わぬところに新たな需要を生み出しています。歯ブラシでは国内トップシェアの「ライオン」が、1割の増産を決めました。国内生産拠点の明石工場で10年ぶりの増産体制をとるほか、中国・青島の工場の増強も検討中です。
高齢化に伴う歯の健康維持がいかに大切か。超高齢社会で、その認識が消費者に定着してきました。厚生労働省や医療界が啓蒙した結果というより、一人ひとりが実感しているのでしょう。最近では、細かな工夫を凝らした製品を各社が競って発売しています。歯垢(しこう)の除去力を高くする。植毛方法や毛の種類、毛先の形状を変えて磨き心地のよさを追求する。一本の歯ブラシではありますが、感心してしまうほど、数多くの改善点がありました。
日用品が示す日本の技術力!
この「品質」の高さに、日本を訪れる中国人旅行者も注目しました。お土産用なのか"爆買い"する動きもあり、中国の電子商取引(EC)サイトでも、好調な販売が続いています。異文化の人々に対し、日本の技術力の高さを「日用品」で示せるなんて、誇らしいことです。
ライオンは、明石工場と青島工場に合わせて約10億円を投じ、量産体制をとります。明石工場には、ナイロン製のブラシを植え付ける植毛機を導入。毛先を曲面にするなど高機能の製品を効率よく生産する能力があり、主力の「システマ」ブランドなど、利益率の高い中・高価格帯の歯ブラシを対象とします。同社の「クリニカ」や「ビトイーン」など高機能歯ブラシも人気です。値下げ競争が目立つ日用品分野での快進撃、他業種にもヒントになりそうです。
[2016.1.28]
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