相次ぐ水道料金の値上げでどんどん明るみになる地域格差。日本の人口減社会は、ところによって10倍近い格差を生むような"ひずみ"をもたらしている。
人口減が水道料金の値上げにつながる
日本の人口減社会が、いたるところに"ひずみ"となって見えています。今日は、全国各地で値上げが相次いでいる「水道料金」の話をしましょう。水道料金は、事業を運営している自治体によって異なり、通りを一本挟んで向こうの家は、安い、などは昔からよく耳にする話題でした。しかし、最近の値上げの連鎖は深刻です。老朽化した水道管などの改修費がかさみ、人口減で自治体の収入も減って、水道事業自体が収益を大幅に下げているのです。
総務省の統計などによると、2014年4月の水道料金の全国平均(家庭用月20立方メートル使用)は3196円で、過去最高でした。20年前に比べ、上げ幅は2割以上です(電気は約1割増)。水源に近い地域、人口が多く税収が見込める地域では、料金が安くなる。人口が減少し、しかも分散している僻地では、長く伸びる水道管の膨大な維持管理費を賄う財源がありません。
一気に30%も値上げとなる市町村も
香川県が昨年秋に行った試算では、今後も市町で単独経営を続けた場合、現在でも2倍近くい市町間の料金の格差が、43年に約4倍に広がります。新日本監査法人なども、人口減に伴い、20年度までに98%の事業体が値上を必要とし、約半数で現行より3割以上高くなると推計しました。
実際、北海道美唄(びばい)市は10月、水道料金を33年ぶりに、3割値上げします。炭鉱で栄えた同市では、人口がピーク時(1956年)の約9万2000人から、約2万4000人に減りました。タオルで有名な愛媛県今治市も、家庭用で平均9.2%、業務用で3.9%(平均では7.2%)の値上げを予定しています。こうした値上げの連鎖は、間違いなく、全国に広がるでしょう。
お役所仕事だった水道事業を民営化し、民間資金を使った産業育成やサービスの向上を目指すのも、1つのアイデアかもしれません。
[2015.9.17]
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