「東京ブランド」ロゴが完成するも、制作等の予算総額は5億1070万円! 都民の理解は?
東京五輪エンブレム騒動の余波は大きい
「東京ブランド」を世界に発信するため、東京都が作成したロゴ・キャッチコピー「&TOKYO」が、またも、「海外に似たロゴがある」と予算総額上で指摘されました。2020年開催の東京五輪エンブレムを巡る「大騒動」の余波と言えます。さすがに問題にはならない内容でしたが、都の対応には今回も、及第点はあげられません。
ロゴは、アートディレクターの永井一史氏が監修しました。「&」に「東京はさまざまな人・モノ・コトが出会い、つながる街」というメッセージを込め、「&」を囲む円は茜色など5種類の伝統色でつくりました。誰でも都のホームページから入手でき、事前登録すれば営利目的にも使えます。「&」の前にさまざまな言葉をつなげることで、利用が広がればよいわけです。
運営側の"残念"な認識不足
指摘は、フランスのメガネブランド「Pulg&See」や、ニュージーランドの弁護士事務所「JONES&CO」のロゴが、色彩や「&」を利用した部分などで酷似している、というものです。著作権法上、タイトルや名称は原則、著作物として認められず、問題にはなりません。舛添要一都知事も記者会見で、「著作権法のリスクはない」と強弁し、時に声を荒げました。
この対応を見て、エンブレム騒動が炎上した大きな要因は、組織委員会を含めた運営側が、法的な正当性だけを根拠に「責任がない」という態度で切り抜けようとしたことだ、という認識が欠けているのでは、と感じました。ネットの先の相手を批判するような物言いは、実に残念です。制作や普及の総予算が5億1070万円に上ることが公表されたのも、この会見の後でした。もっと都民に理解されやすい、愛される、協力を得られる説明、対応の方法はいくらでもあるはずです。
[2015.11.7]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 「東京ブランド」ロゴが完成するも、制作等の予算総額は5億1070万円! 都民の理解は?
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/2323
コメントする