運転手10万人不足(運送業):2020年問題予測値/客貨混載など打開策検討。
前年比3万人減。2020年には10万人不足?
恒常的な人手不足に苦しむ業界のひとつ、運送業界。総務省の労働力調査で、平成27(2015)年のトラック運転手は80万人で、前年比3万人も減少していることが明らかになりました。
鉄道貨物協会は、平成32(2020)年度に約10万人のトラック運転手が不足すると予測します。運転手の高齢化も深刻です。打開策として共同輸送など新たな試みが始まり、他の業界にも広がっています。
有効求人倍率は2.25倍
トラック運転手を含む「自動車運転の職業」の有効求人倍率は、平成27(2015)年度が2.25倍。全業種平均の1.21倍を大きく上回っています。運転手の7割は40代以上で、15%が60代以上です。
就業時間は長く、賃金は低い
長時間労働、それに見合わない低賃金などが不人気の理由で、1週間の就業時間では60時間以上が約2割、平均賃金は月額約29万4000円という試算もあります。全産業平均と比べると、就業時間は長く、賃金は低い。
バスや鉄道で「客貨混載」
こうしたなか、ヤマトホールディングス(ヤマトHD(株):東京都中央区山内雅喜社長)は、岩手県や宮崎県の路線バスで乗客と一緒に荷物を運ぶ「客貨混載」に取り組み始めました。
佐川急便(佐川急便(株):京都府京都市荒木秀夫社長)は来年度、第三セクターの北越急行(北越急行(株):新潟県南魚沼市 渡邉正幸社長)の鉄道車両で荷物を運ぶ事業に乗り出します。
物流が滞れば商品の競争力も落ちる
一方、三井化学(三井化学(株):東京都港区 淡輪敏社長)、出光興産(出光興産(株):東京都千代田区月岡隆社長)など化学6社は、自動車部品メーカーへの樹脂製品の共同配送をスタートさせました。
北海道や東北で展開する食品スーパー、アークス((株)アークス:北海道札幌市横山清社長)と、共同仕入れ機構のシジシージャパン(CGC/(株) シジシージャパン:東京都新宿区 堀内要助社長)、日本貨物鉄道(JR貨物/日本貨物鉄道(株):東京都渋谷区 田村修二社長)の3社も、鉄道を使った農産物の共同輸送を始める方針です。
物流が滞れば、信用力ばかりか、商品の競争力も落ちます。運送システム自体の大転換が迫らせています。
[2016.11.28]
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